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2008年 02月 10日
パーツを交換すれば済むトラブルならともかく、フレーム自体に問題がある場合はどうしようもない。以下のトラブルは分かる人が見れば簡単に解決する問題かもしれないが、当時の私にはどうする事もできなかったのである。
≪その一:くアウター受けとピラーの接触≫ いわゆる“首振りタイプ”吉貝R用アウター受け。この無骨なデザインが好きなのだ。 ところが、である。取り付けられない。シートピンに入らないのだ。シートチューブの切り込みから内側にはみ出し、ピラーに接触するのが原因だった。お気に入りの吉貝のアウター受けは諦め、様々なタイプの物を試してみたが同じだった。取り付けられないから無理やり加工するというのは本来私のポリシーに反するのだが、背に腹は変えられない。不本意ながら薄く削ってみたが、それでも不十分。これ以上削ると強度的に問題があるのではないか。私は悩んだ挙句、とんでもない暴挙に出た。シートピンの方を削ったのである。笑いたい方は笑ってくださって結構。その時私は既に我を忘れていたのである。 若気の至り、愚の骨頂。 ≪その2:Fブレーキがキャリアと接触≫ ブレーキ本体はマファックレーサーである。キャリアも組み付け、最終調整を行おうとしたところ・・・異音がする。レバーを引くたび微かにカチ、カチという音がするのだ。アーチワイヤーを固定する太鼓と、ブレーキ台座に直付けされたキャリアの肩との接触が原因だった。 ○部が接触。 接触と言ってもごく僅か。僅か2ミリ、いや一ミリでいいからキャリアの湾曲が前方にずれれば良いのだが、フロントフォーク上4点で固定されたキャリアはびくともしない。私は天を仰いだ。こうなったら出来る事は唯一つ、ブレーキ本体のアームを無理やり後方に歪めるしかない。私は泣く泣く、新品のマファックに手をかけて、力いっぱいひん曲げたのである。 工房に対してクレームをつけるなどという事は、当時の私は考えもしなかったし、出来なかった。何せ相手はオーダー工房の最高峰、TOEIである。天下のTOEIに間違いがあるはずは無い。私にはTOEIイコール完璧という公式が出来上がっていた。きっと私の組み付け方に問題があるのだ。いや、ひょっとしたらパーツ固体の歪みか、はたまた万に一つの不幸な組み合わせに巡り当たってしまったのか。 私は混乱し、うろたえ、トラブルを一人で抱え込み、考えられる全ての方法を試してみた挙句・・・絶望した。なす術が無いのだ。 (もうこのフレームは、ダメだ。) 他にも幾つかあった不満点は改善の余地があったが、この2点だけはどうしようもなかった。 自分の思い描く理想のランドナーになるはずだった。オーダーの最高峰、TOEIでこんな事になるとは思いもしなかった。フルオーダーとはこんなものなのか。私は大いに落胆し、憧れのはずだった“理想のランドナー”を物置に仕舞いこんだのである。 #
by james_y1964
| 2008-02-10 08:39
| 『Project究極のランドナー』
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2008年 02月 03日
≪オーダーはある程度サイクリングの経験を積んでから行ったほうが良い≫
昔からよく言われる勧告である。私の場合、大学のサイクリング部でみっちり走りこんだので“もうオーダーしても大丈夫”との自負はあった。初めての愛車、シルクランドナーに感じた改善点を全て克服した、私にとっての≪究極のランドナー≫をオーダーする時が来たのだ。社会人になって間もない頃、まだ二十代半ばの頃だった。 当時のオーダーシート。フレームサイズ以外のスケルトンは全てお任せ。ただしトウクリップとマッドガードの接触だけは避けたい旨は明記した。その他はよくある直付け加工の指定。フルオーダーまでしなくても良いのでは、と言う内容ではあるが、どうしてもオーダーせねば実現できない箇所があったのだ。 レポート用紙に下手糞な文字でこまごまと書かれた補足事項。必死で情熱を伝えようとしている事は分かるが、ビルダーさんはさぞや迷惑だったに違いない。 このオーダーのキモは以下の4点。 (1)奥田式クイックキャリア(フロント) (2)センタープルブレーキの採用 (3)フレームポンプをシートチューブ裏に配置 (4)トウクリップとマッドガードとの接触回避 (1)はオーダー以外では入手不可能、(2)と(3)に関しては、市販のランドナーには採用されていない為(なぜランドナーにセンタープルなのかの理由は後述)。(4)はシルクで懲りたのである。この点を気にしないサイクリストも少なくない様だが、せっかくのマッドガードがキズだらけになるではないか。何より登坂中の接触は危険である。私にはどうしても譲れない点だった。 当時の完成車の画像が一切残っていないのが残念だが(後述する理由で、記念写真など撮る気が無くなったのである)、主なパーツを列記するのでご想像願いたい。 ホイール:マビック650A+ブリジストン1・3/8アメサイド ハブ:シマノ(旧)600スモールフランジ ブレーキ:(本体)マファックレーサー、(レバー)グランコンペNGC210 チェーンホイール:唐草シマノ600EXショートアーム48・34T フリーホイール:サンツアーニューウィナー14~24T ディレーラー:(R)サンプレックスSLJ5500CPL (F)シマノデュラエースEX (Wレバー)サンツアーシュパーブ(初代) ペダル:三ヶ島ユニークロイヤルロード ステアリング:日東ランドナー135・パール7 サドル部:ブルックスチームプロ、シマノ(新)600シートピラー マッドガード:本所半丸 今思えば恐ろしくバランスを崩したアッセンブルだが、これでも当時は大真面目で決定した組み合わせだった。これらのパーツへの拘りは個別に後述するが、完成から20年近く経過した今回の復活計画に際し、大きな見直しを図る。ともかくフレームは完成したのである。正確には覚えていないが、平成2年頃だっただろうか。この頃はまだ、フランス製のパーツもかろうじて店頭で入手出来ていたと思う。 納車された念願のフレーム。嬉々としてパーツを組み上げていくうちに、私の顔色は変わっていった。致命的とも言える、大きな問題点に直面したのである。 #
by james_y1964
| 2008-02-03 07:27
| 『Project究極のランドナー』
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2008年 01月 19日
この自転車のキーワードは今も昔も“質実剛健・実用本位”。意地でも床の間自転車にはしたくなかった。自転車は乗ってナンボというのが私のポリシーである。メンテナンスが面倒な内蔵工作や、見栄えを良くする為の特殊工作は不要。面白くもなんともないフレームが出来上がったのは至極当然の結果。
泣く子も黙る、TOEIのヘッドマーク。後述する後悔は、このあまりに重いブランドへの過剰な期待と甘えが原因とも言える。電装コードはヘッドチューブ内蔵の東叡オリジナル方式。内蔵工作は嫌いだが、ショップの親父さんの“これをせねばTOEIでオーダーする意味が無い”という言葉にはとても逆らえなかったのである。 ランドナーなのにイタリアンカットラグ。ゴテゴテしたコンチネンタルカットには興味が沸かない。ラグ付きの方が強度があると考えたのだが、今にして思えばラグレスの方が良かったとも思う。メンテナンスも楽だし(エッジが無いので錆びにくい)。 フレームポンプはシートチューブ裏に装着。下側のペグがBB下を通るFDワイヤーに干渉されない位置に上手く付けられているのは流石。それまで乗っていたシルクはダウンチューブにポンプを装着していたが、シフトチェンジの際ポンプに指が当たるのが気になっていた。とは言えシートチューブ前だとロードレーサーの様で好きになれない。シートステイ下側ではペダリングの邪魔、上側だと荷物に接触する・・・。若かりし頃は自転車を担ぎ上げる事も多かったので、最も邪魔にならないと結論付けたのがシートチューブ裏。サイスポ掲載のアルプス・スーパークライマーがこの位置にポンプを装着していた事にも影響を受けた(ただしその記事には“ポンプサイズとフレームサイズがたまたま合致したのでポンプをシートチューブ後ろにセットしてあるが、通常はダウンチューブにポンプペグを直付けする”とのコメントが添えられていた)。理想と思われたこの位置だが、実際の使い勝手はあまり良くない。自転車を押しながら段差等を乗り越える場合、本来丁度フレームのこの位置を握っていたのである。ポンプがあれば握れない。体力は年々衰える。この先どれ程担ぎ上げの場面があるのだろうか。 フロントキャリアは当時サイスポに掲載されていた同志社大学CCの奥田貞弘氏(当時)のアイデアをそのまま使わせて頂いた。ヤマネオリジナル3点式キャリアを原型とし、サイド枠をクイックレバーでワンタッチで外せるというのがミソ。このアイデアは当時既に実用新案登録を取得していたらしいのだが、そのあたりの問題はどうなっているのだろうか(アイデア料の支払いが必要でしたらご一報下さいませ)。 シートステイは美しい二本巻き。シートピンは5ミリアーレンキー使用。左側はナットを埋め込み加工している。この部分もラグレスならシルクと同じく、6ミリを使用で出来たはず。輪行の際、6ミリアーレンキー一本でシートピラーとステム着脱が出来るので、その方が遥かに便利なのだ。 こうして完成したフレームだったが、パーツ組み付け後に幾つか大きな問題を抱えている事が判明したのである。 #
by james_y1964
| 2008-01-19 22:46
| 『Project究極のランドナー』
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2008年 01月 14日
20年前にオーダーしたランドナー。休眠サイクリストとなって久しいが、このTOEIランドナーを復活させ、再び走り出そうと思う。
私の最初の愛車は高校1年の秋に購入したシルクランドナー。幾つか浮かび上がった改善点を全て克服した、自分にとっての『究極のランドナー』をオーダーしたのは社会人になって間もない頃だった。憧れのTOEIブランドは、きっと私の欲求を満たしてくれるに違いない。今にして思えば、その強すぎる思い込みがこのランドナーを埃にまみれたままにする原因になったのである。復活までの道のりを紹介しながら、私の未熟さ、後悔、そして自転車への思い入れを書き綴っていきたいと思う。 あらかじめ申し上げておくが、私は決して自転車マニアではない。ブランドパーツに関する知識、組み上げ技術に関する知識はそこそこ持ってはいるが、ランドナーという車種特有のクラッシックパーツへの造詣という点でははなはだ頼りない。マファックやユーレーは知っているが、レジナやゼウスは触ったこともないし興味も湧かない、まあその程度である。しかし80年代初頭、国産ランドナー全盛期に青春時代を過ごした地方在住の平均的サイクリストとは、おそらくそんなものだったと思う。 そういう訳で、根っからのマニアの方にとっては物足りない内容かもしれないが、それでもこれからオーダーを考えている方の一助にはなるだろう。中途半端な知識を恥じることはない。マニアックな知識と自転車への愛情とは、決して比例するものではないのだから。 #
by james_y1964
| 2008-01-14 10:30
| 『Project究極のランドナー』
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