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2009年 02月 19日
ロードVx 再評価
『♪やーすーい、やすーうい~、安いディレーラー Vx・・・』 歌詞の後半は忘れたが、私が学生時代に西日本学生サイクリング連盟(通称西サ連)のラリーで歌われていた替え歌である。当時はこの様に、サンツアーロードVx(以下、Vxと表記)はとかく安物として扱われていたものだ。かく言う私もその一人だが、21世紀となった現在、それは実に不当な評価であったと言わざるを得ない。Vxへの罪滅ぼしも兼ねて、改めてその魅力を探ってみよう。 なおサンツアー・Vシリーズの系譜については、コルサさんのブログ「毎日がヒルクライム」に詳しく書かれているので是非参照頂きたい。当ブログではもっぱら私の個人的な思い入ればかり書かせて頂くので、コレクターの方々にとって参考になる様なデーターは期待できない事を予めお断りしておく。 ところで80年当時のサンツアー製リアディレーラー(普及グレードは覗く)を上位機種から並べてみると以下の通りになる。 ①シュパーブ・プロ(7,100円) ②シュパーブ(6,300円) ③サイクロン(6,100円) ④BL(4,400円) ⑤ロードVx(3,050円) *価格はサイスポオールカタログ80/81より。全てショートケージのロードタイプで比較。 確かにグレードは最下位で、当然価格も安い。では同時代のライバル、シマノ製品はどうだったかと言えば ①デュラエースEX(6,750円) ②600EX(2,650円) 正確には旧デュラと旧600も併売されていたはずだが、それらは上記モデルが登場後は半ば引退していたと考えられるのであえて省略する。意外な事だが、実際シマノ製品のラインナップはサンツアーより遥かに少なかった時期があったのだ。 ここで注目したいのは、Vxの競合機種となる600EXの価格だが、なんとVxより安かったのである。両者の価格の逆転はNEW600EXの登場(83年)まで待たねばならないが、単純に価格だけを比較しても、Vxを安物と決め付けるのは不合理だろう。 Vxに安物のイメージが付きまとう最大の原因は、皮肉にもその大きな普及度に拠るものだろう。当時の入門用市販旅行車には、そのほとんど全てと言っていい程、Vxが装備されていた。後にシマノからデオーレ、105が発表されるまで、サンツアー・ロードVxのシェアは圧倒的だったのである。 当時のサイクリング初心者は、購入した市販旅行車の標準装備の廉価版パーツを交換し、一日も早く“マニアサイクリスト”の仲間入りする事を欲していた。定番の改造は ①ブレーキをダイアコンペからマファッククリテリウムに ②ビニールレザー張りのサドルを本革のブルックスかイデアルに ③ペダルを一体形成のミカシマ・シルバンに といったものだが、こうした一連の改造の目玉がディレーラーのグレードアップ、つまりVxの上位機種への換装だった。 あくまで個人的見解だが、こうした初心者達の『入門用パーツを早くマニア向けのものにグレードアップしたい』という心理が、図らずも“Vxは安物”というイメージを育んでいたのではないだろうか。 では客観的に見て、Vxのディレーラーとしての評価はどうなのだろうか。 検討項目としては(1)デザイン(表面仕上げ)(2)耐久性(3)変速性能といった所だろう。(1)(2)に関しては、あくまで普及品との位置づけられている以上、シュパーブやサイクロンと同じ土俵に乗せるのは酷というものだ。注目すべきは(3)の変速性能だろう。 当時から『サンツアー製リアディレーラーの性能に価格差はほとんど無い』という事をよく耳にしていた。これはサンツアーの特許であるスラントパンタ機構に負うところが大きかったと思うのだが、極論すればつまり『シュパーブもVxも性能は同じ』という事である。トップモデルと同等の戦闘能力を持っていたという事は、Vx誕生から30年経った現在、その名誉の為にも改めて訴えておいて良いだろう。 性能という点では本体だけではなく、Wレバーも秀逸だった。たまたまかもしれないが、いわゆる自動変速(締め付けボルトが緩み、勝手に変速する事)の頻度は後年使用したサイクロンやシュパーブのWレバーより低く、その信頼性は高かった。大振りでゴツい印象を与えるそのレバー本体のサイズも、ツーリングではむしろ実用的で非常に使い易い大きさだったと言えよう。 ユーラシアを始めとする最近の“80年代市販ランドナーレストアブーム”は、ロードVx再評価の大きな後押しになっている。盛んに改造された現役時代と異なり、レストアラー達はむしろオリジナルの姿への回帰を目指す傾向がある様で、ロードVxも当たり前の様に磨き上げられ、装着されている。世代によって差があるかもしれないが、そこに『Vxは安物』という偏見は見られない。今更私が声を大にして訴えなくとも、既にVxの価値は認められ始めていたのである。 愛情込めて磨き上げられたサンツアー・ロードVxが組み付けられている。 Vxを見直し始めたのはレストアラーだけではない。近年改めて着目されているのは、その無骨なデザインである。スポーツ用ラインナップの下位モデルであったVxの機体が後発の上位機種に比べて鈍重だったのはやむを得ない事だが、昨今、そのメカニカルで角ばったデザインが見直されつつある。アルミ地むき出しの本体は、最近のカラーアルマイト加工されたディレーラーには無い、エンスーを引きつける魅力を持っているのである。 このメカニカルなイメージを生かしたレトロな自転車も面白いのではないか。私は数年前からイメージを膨らませていたのだが、財布の方は一向に膨らまない。同じ事を考えるサイクリストがどこかにいないだろうか、と他力本願な事を考えていたのだが・・・奇しくも前回ご紹介したさんつあ~ひ~ろ~さんが、今正にそんな自転車を組み立てておられるとの事。氏は組み上げた自転車を飾っておく事などしない、実際にバリバリ走る生粋のサイクリストである。実用のディレーラー、ロードVxとしてはこれ程幸せな事はないだろう。完成が待ち遠しいものである。 さて次回取り上げるのは、ツーリングのために開発されたメカ『青い新風 BL』。 乞うご期待! ・・・なのですが、この辺で久しぶりにポタリングレポートをUPします。題して『行き当たりばったり温泉ポタ』。この週末にUPできるか?できるのか(苦笑)?
by james_y1964
| 2009-02-19 04:59
| 『サンツアーよ、永遠に』
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Comments(24)
初めて書き込みをさせて頂きます。いつも楽しみにしております。
部品に対するこだわりやら、ランドナーの再生記録などとても為になります。もし、お分かりになれば教えていただきたいことがあるのですがよろしいでしょうか? 私が所有しているかなり昔のサンツアーのフロントディレーラーなのですが、通常、レバーを引けば手元に引けばチェーンリングの外側(一番大きなリング)に移動し、逆に戻せばインの小さなリングに移動するはずですよね。それが私の持っている古いサンツアーのF・Dは、なんと逆なのです。レバーを手元に引くとインの最小ギアになるのです。なにやらダブルレバーの常識と違うのですがこんなフロント・ディレーラーも存在した時期もあったのですか?私のセッティングの間違いかと思い、何度もやり直してみたのですが・・・・・ もし、調整の方法がお分かりになりましたならお教えいただけるとありがたいのですが。 初めての便りで図々しいお願いではありますが・・・・・
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numa
at 2009-02-19 21:46
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待っていました。Vx特集。
実に分かりやすいです。 Vxには3兄弟あったのですね。(Vx-GTは何についていたんでしょう?) ペダルもあったとは・・ 性能差のことなど面白いですね。何度も読みました。 (それにしても読ませる文章力ですね。) 当時欠落していた知識の部分が埋まっていくのは快感です。 ユーラシアをレストアして思ったことです。 自転車は、安いパーツから錆びていき、劣化して使い物にならなくなっていました。 そんな中で、Vxは(フロントの鉄部分を除き)すぐに、当時の輝きを取り戻しました。 まさに質実剛健。ちょっと感動した物でした。 次回も楽しみにしています。
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ジェームス吉田
at 2009-02-20 02:51
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40bantiさん、始めまして&いらっしゃいませ。いつもお読み頂いているとの事、ほんとうにありがとうございます!これからもよろしくお願いします。
ご質問の件ですが、セッティングの間違いではなく、そんなFディレーラーなのです、ハイ。40bantiさんの言われる『Wレバーの常識』、つまり現在一般的に使われている、バネの力でインナーギアに落とす形式はローノーマルと呼ばれますが、70年代まではこれと逆、トップノーマルという形式も存在しており、サンツアーはそちらにもずいぶん力を入れていた様です。詳しくは本文中でもご紹介したコルサさんのブログ『毎日がヒルクライム』をご覧下さい(リンクしています)。お持ちのディレーラーも登場してるかもしれません。 トップノーマルのディレーラーが絶滅した理由は、よく判りません。私がサイクリングの世界に本格的にハマった頃には既に絶滅危惧種に指定されていましたから(笑)。従いまして、申し訳ありませんが詳しい調整方法は存じ上げません。基本的にはローノーマルと大差無いとは思います。
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ジェームス吉田
at 2009-02-20 03:01
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(続き・以下は参考までに)
ただし、一部古くからのパスハンター(峠を好むサイクリスト及びその自転車)には愛好者もおられる様で、そんな方の記事を昔サイクルスポーツ誌にて読んだ事があります。 現代のローノーマルのFディレーラーは、登坂中にインナーに落とす際、ペダルを踏む力を緩めてやらなければなりません。ガンガン登りたい方々にとっては、シフト操作で強引にローに落とす事が出来るトップノーマルの方が理に適っている、と言う趣旨でした。 それを読んで『それもそうだ、私もパスハンを作る時は・・』と思って購入したのがサンツアー・ニューSL。けど未だにタンスの肥やしになってます(笑)。
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ジェームス吉田
at 2009-02-20 05:39
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numaさん、お待たせしました(笑)。そうそう、早速載せさせて頂きました、ユーラシアの画像。後は走るだけですね!
VxGTは名車シルクキャンピング等に装着されていた様です。キャパシティの小さいショートケージタイプはスポルティーフに採用されていました。しかし市場に最も多く出回っていたのはミドルサイズのSタイプ(numaさんのユーラシアに付いているタイプ)の様でした。Sタイプ以外は案外見ませんね。 Vxは磨き甲斐がありますよね(笑)。サンツアーの生んだ、大衆実用パーツの傑作だと思います。
早速にお返事ありがとうございます。ダブルレバーが逆方式?の仕様が存在していたこと自体、まったく知りませんでした。何しろ60歳を過ぎてから自転車の面白さに取り付かれたものですからセッティングの際、ボケが始まったのか?と思ってしまったのです。ダブルレバーのシフトを使用する自転車を他に2台持っているのですがこのサンツアーのレバーを使っているシルク・キャンピングは、やはり使い勝手が悪く余り乗らなくなってしまいました。今や他の自転車の部品取りの自転車と化してしまい、フレームと泥除けだけの存在となってしまいました。
この逆方式のサンツアーのF・Dは、大切に保管をしておくつもりです。 いろいろとありがとうございました。 また、楽しみに見させて頂きます。
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やの
at 2009-02-21 08:17
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中学入学祝いに買ってもらった初代ルマンには発売されたばかりのVX(ミドルケージ)が付いておりました。でも、ニューサイやサイスポに洗脳されていたわたしは、ツーリング車用ディレイラー=サンプレと思いこんでおりましたので、VXには目もくれず、自転車屋のウインドウの中に並ぶ、クリテやLJを羨望のまなざしでみつめておりました。
ちょっと話は逸れますが、当時の国産(&ユーレー)のロングケージはとってつけたようで、とても不格好に思えました。
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ぬうぼマン
at 2009-02-21 20:03
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シマノ党の私が言うのもなんですが(笑)、サンツアーの「ロードVx」は限られたコストの中、性能・機能・デザイン共に傑作だと思います。
一部、駆動関係以外の部品が他社のOEM的なのは、シュパーブでも同じようにメーカー同士がグループ化して共同開発した結果なので問題ないでしょう。 シマノだってクランク関係は親戚の「高木」に作らせていたのですから。 あと「ロードVx」に関して聞きかじりの話ですが、当時からメーカー車の多くはサンツアーのパーツを多く採用していました。(BSダイヤモンド・シリーズ等) 多くのパーツが高級化してゆく中で、それらとは別にコストを抑えて性能本位のパーツが必要になった完成車メーカーからの要求で「ロードVx」は開発されたと言う話です。(消息筋語る・・・) 故に発売と同時に多くのメーカー車に採用されたのだとか。
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ジェームス吉田
at 2009-02-22 06:29
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やのさん、おはようございます。
>VXには目もくれず 当時はそんなもんでしたねー。私だってシルクのVxを壊れもしないうちからサイクロンに付け替えましたから。勿論すててはいません。Rディレーラーがヘタってしまった部のオンナノコの自転車に付けてあげました。下心丸出し(笑)。 サンツアーのロングケージ(いわゆるGTモデル)は、当初私も『えらくいかついなあ』と感じていましたが、いつの間にかあの強引に伸ばしたアームにハマってしまいまして、今や大のGTファン(苦笑)。
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ジェームス吉田
at 2009-02-22 06:39
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ぬうぼマンさん、サンツアー贔屓の記事が続く中、そろそろお叱りの言葉を頂戴しそうな気がしてましたが、そうじゃないので安心しました(笑)。
シマノ党のぬうぼマンさんをして『傑作』と言わしめるVx、お墨付きを貰ったような気がしてこれまた安堵しました・・・。 >シマノだってクランク関係は親戚の「高木」に そうだったんですか。確か元々シマノはハブ専門だったんでしたっけ?コンポーネント化を発案・推し進めたシマノとしては、身内で様々なパーツを作らなければならず、当初ある意味苦労したのではないでしょいうか。もっともそんな開発努力があったからこそ、現在のシマノの技術があるのでしょうね。 えー、『ライバル・シマノの傑作パーツ』の章、もうちょっとお待ち下さい(笑)。
ジェームス吉田さん、みなさん、こんにちは。
「Vx」のお話、ちょうどうちの自転車で使っていることもあり 興味津々で読ませて頂きました。 元々付いていた「7」のメッキがボロボロになっていた事から 切羽詰り、たまたま手に入った「Vx」への交換でしたが この記事を読んだ今では「変えてよかった!」と気分晴々です (´・`) それにしても、冒頭の歌・・・口ずさみそうで怖いです w
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ジェームス吉田
at 2009-02-26 05:09
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shibaさん、こんにちは&始めまして。
Vxのお話、お楽しみ頂けましたでしょうか。 >この記事を読んだ今では「変えてよかった!」と そう仰って頂くとVxも本望かと(笑)。 ブログも拝見させて頂きました。しかし2006年から?!とてもイッキ読みできません。いやあ、継続は力なりですね。見習わなくちゃ。 冒頭の歌、確かにクセになりますねー(笑)。他にもマニアックな歌がありましたが、残念ながらほとんど忘れちゃいました。
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ひろし
at 2009-05-09 19:43
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Vxの話題を興味深く読みました。 実はわたしもサンツアーが大好きで、スポルティーフを再生するさい、手持ちの600EX 3点セットではなく、Vシリーズでと思っていたところ、ふと入った町の自転車屋さんにあったのです。 箱入り未使用のVxのWrバーとFD そして美品中古のVx-T のRDでした。 VX-T は上記のパンフには載っていないので後発機でしょうか。 下世話ですが、WとFDが3000 RDが4000で諭吉さんと交換でした。 高かったのか安かったのか、分からなかったのですが二度とない出会いだろうと 思いきりました。 細いフレームに付けると、あのごつさが際立ち素敵です。
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ジェームス吉田
at 2009-05-10 20:11
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ひろしさん、こんばんは&いらっしゃいませ!
Vx-T・・・私は馴染みがありませんが、以前ケージがSとGTの中間のものをヤフオクで見かけたことがあります。ひょっとしてアレ? 本文中にも書きましたが、Vxのゴツいデザインは現在ではむしろ新鮮ですね。メカメカしい姿がいかにもサンツアーって感じで、現在の変速機には無い魅力がありますものね!
ジェームスさんには申し訳ないんですが、この英語版VXのカタログを読むと、この頃から早くもサンツァー没落が始まってます。
ダブルテンションになったシュパーブプロリアメカの英語の説明書も英語が駄目で売れなくて当然だと納得しました。 英語を校正する人間がサンツァーにいなかったのは、明らかです。 このシュパーブプロとニューDA両方使いましたが、初めてサンツァーが島野に性能で追いつきました。 では、同じ性能なら世界最大の市場であるアメリカではどちらが売れるか? 説明書が分かりやすい島野です。
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ジェームス吉田
at 2012-12-30 02:00
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CYPRESSさん、そうなんですか、このカタログ、英語がダメなんですか・・・私は語学はどうも苦手で、そこまで気付きませんでした。
>この頃から早くもサンツァー没落が始まってます。 あれれ?しかしこの時期は(少なくとも国内では)サンツアー全盛期では?このカタログの出た80年代初頭は、マスプロ車でのシェアはシマノを遙かに凌いでいた記憶があるのですが。没落はやはりダブルテンション化したあたりと認識しておりますが・・これはあくまで個人的見解。 >初めてサンツァーが島野に性能で追いつきました。 これはサンツアーファンとしては聞き捨てなりませんね(笑)。細かく言えば、スラントパンタを使いたくても使えなかった島野が、特許切れでニューデュラエースで初めて採用した事で、ようやくサンツアーを追い越した、と思うのです(デザインもグッと良くなりました)。 ダブルテンション・スラントパンタが最強という事は、それを現在のメーカー全てが採用している事とからもうかがえます(結局シュパーブもそうしましたしね)。
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ジェームス吉田
at 2012-12-30 02:00
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(続き)
もっともこれは理論上のオハナシで、じゃあそれまでデュラの性能はシュパーブに負けていた、と決め付ける事はできません。実際シュパーブよりもダブルテンション・サーボパンタのデュラを好んで使っていたレーサーも多かったでしょう。 関西と関東のシェアの違いもあったのかな? そもそもレース経験が皆無の私に、シビアな性能に言及する資格はありません。本文中の島野に対する悪意に満ちた(?)表現は、田舎のサンツアーファンの身びいきとしてご容赦頂けましたら幸いです!
サンツァーのリアメカは、たしか、ロー側の変速が苦しかった記憶が。
私の場合、サイクロンが発売されると直ぐにクレーンから代えました。 なんといっても仕上げが段違いに良かったですから。 し、か、し、動きがどうも良くなかったんです。 完成車にはたしかにサンツァーと島野、ほぼ半々で使われました。 自転車店でバイトしていた時、個人で変速機を買うとなると、サンツァーを買ってたお客さんはほとんどいなかった記憶が。 草レースに出てた頃は、私が所属していたチームでサンツァーを使っていた人間は一人。後はほぼ島野。好き者がカンパを使ってました。 レースに出ても、他のチームでサンツァーを使ってた選手、いたかなぁ…。 草レースですから自分の好みと予算に合う部品を使うんですから、それでもサンツァーをあまり見た覚えがありません。 英語の校正の件ですが、売れていた時でさえ校正してなかった、と言う事です。
SISになる前の変速機のお話。
1: ワイアーは複よりのしなやか物より単よりの固い方が性能がいい。 STI時代になると島野も単よりに先祖返りしました。 島野のニューサイ誌で鳥山新一著「ポリテクニーク」なんて宣伝記事でDAの性能的優位を宣伝し、複よりワイアーがいいと書いてました。 実際には複よりだと、引いた時にワイアー自体が伸びるので一呼吸分変速が遅れるし、ダイレクト感が有りません。 ところが固い単よりだとワイアー自体が伸びることなくレバーを引いただけ変速機が動きます。ただし、島野の場合。カンパは無関係。サンツァーはやったことないので不明。 リアメカだとよく分かります。 2: 軽合の変速機は撓む。 上り坂で踏み込みながら「あかん、重過ぎる」とリアメカを変速させると、 変速が遅れ撓むのが分かります。 SISになると確実に変速するので、私程度の人間にはこの点、分からなくなりました。 ヌーボレコード系カンパの耐久性が高いのは、ガイドプーリーからスプロケットまでの距離が遠く、変速機ではなくチェンがしなるからです。 変速性能を上げられなかった怪我の功名にすぎません。
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ジェームス吉田
at 2012-12-30 18:11
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CYPRESSさん、レースシーンでのこういった話題は、当時の私の周りでは皆無でしたから、実に興味深いです。できればリアルタイムで聞きたかったなあ(笑)。
複よりワイヤーのお話、おおいに頷けますね。といいますのが、サイスポ等で『高級な複よりワイヤー』と刷り込まれたものの、理論上は仰る通り『しなやか=よく伸びる』はずで、変則性能をスポイルするはずなんだけどなあ・・・、とはうすうす考えてはいたのです。 そっかー、やっぱりそうだったのか。当時の現役レーサーに言われて安心・納得しました。
始めてコメさせていただきます。1973年頃、サンツアーVに出会いまそた。ソマノはヂュラをまだ発売していない、2流メーカーだったです。
懐かしいですね。
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ジェームス吉田
at 2013-11-24 05:37
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tさんが自転車に目覚めた頃は、まだVx誕生前だったのですね。
2流メーカーとは手厳しいですが、もともとシマノははハブ屋さんだったとか。前田工業は変速機屋だったはず。 二つの会社が合併していたら・・という妄想も、なかなか面白いものがあります。 スラントパンタ機構はサンツアーの命だったのでしょう。
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こぉ
at 2014-02-24 16:57
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はじめまして、非常に興味深くまたおもしろく拝見させていただきました。四半世紀ぶりにメタボ対策で自転車に戻りました、こぉと申します、しかしメタボ対策よりレストアにはまりこの1年
でロード2台ランドナー2台を蘇らせただ今スポルティフを仕上げ ています、77年~80年までロードレースにも出ていました、 成績は言わぬが花ですが・・。さて、古いネタで恐縮ですがトッ プノーマルのFDの消滅ですがアウターを使わなければならない という理由も考えられませんか?あの頃はBB下にワイアートン ネルを直付けするのが流行っていたと思います、SL等トップ ノーマル派は蚊帳の外になっていったのではないのでしょうか。ちなみに私も未使用のNSL2個持ってます。
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ジェームス吉田
at 2014-02-25 05:16
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こぉさん、初めまして&いらっしゃいませ!
一気にレストア&復活ですね。勢いでこの際フルオーダーも・・・ トップノーマル消滅はアウターレスの流行が一因・・・・興味深いですね。 私がこの世界にハマった80年頃はもう、過渡期を過ぎていたでしょうか。初代アトランティスのFメカにはBB周りにまだアウター台座が直付けされていましたが、モデルチェンジ時に廃止されたと思います(このあたり記憶あやふや)。それでも既にローノーマルだったと思います。 カンパを始めとする舶来メカの潮流に流されて・・・というのが定説でしょうか? NSLのFメカは私も一基所有していますが、使う事は有るのかないのか・・・。根強いローノーマルファンは結構いらっしゃるみたいですね。
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