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2008年 08月 17日
ネット上で初めてそれを目にした時、私は驚嘆した。それこそが私が長年夢見てきた革製パッドの、正に完成形だったのである。
(画像は菱川氏のWP『くらふと工房』より転載) 製作者は『くらふと工房』代表、菱川洋一氏。“素人工房”と謙遜されるが、見ての通り、とてもアマチュアの技術ではない。量産できないので価格は決して安くはないが、ここまでの仕上がりに見合う対価として不満は無い。私は早速1ペアを購入する事にし、氏と連絡を取ったのである。素材の構成や組み付け方等、詳細についてはWPを参照されたい。 これまでのゴム製から革製のパッドへの変更に伴い、認識を改めなければならない点がある。それは“革パッドおよび革バーテープは消耗品ではない”という事だ。実は私、恥ずかしながらこれまで“バーテープとレバーパッドは消耗品”という認識を持っていた。ゴム製パッドはまだしも、革製バーテープまでもそんな使い方をしていたのだから贅沢な話ではある。 今回取り付けた革製パッドはゴム製のものと異なり、反対側へ剥き上げる事はできない。高価な物なので、安易に新品に交換できるものでもない。更に構造上、バーテープを巻き終わってから取り付ける形になっている。従ってパッド同様、バーテープも安易に巻き直す事は慎まなければならず、昔の様なラフな使い方は控えるべきだろう。 この前代未聞の革製パッド、その使用感や耐久性、メンテナンス性等は正直言って未知数である。菱川氏ご自身、マファック用革パッドの長期使用レポートを掲載されておられるが、私もこのグランコンペ用パッドについて、実際に長期間使用した後に改めて報告を上げてみたい。 唯一つ残念だったのは、このブレーキレバーの特徴であるケーブルの取り外しが出来なくなった事。本来は、本体内部のインナーワイヤーの太鼓を外すと、アジャスター小物ごとケーブルを取り外す事が出来るのだ。オリジナルのゴム製パッドの場合、アジャスター小物の出し入れに際し、その辺りの隙間をゴム製パッド上部の伸縮で吸収する構造になっている。こればかりは革という素材では再現不能なのだ。菱川氏もその点は気付かれていた事と思う。製品ではその機能を犠牲にして、アジャスター付近の革を絞り込んだデザインを採用している。 課題の残る“首”の部分。オリジナルのゴム製パッドならアジャスター金具を“無理やり引っこ抜く”ことが出来る。アジャスター機能に関しては問題無し。 これは私に取っては決して小さくない問題で、メンテナンス性の低下は勿論、輪行の際のハンドルバー取り外しに著しく支障をきたす事になる。 この点に目を瞑って使用する事は『実用本位』を金科玉条とする我がランドナーにとっては掟破りと言えるのだが、今回に限り、私はあえてこの革製パッドを使ってみたい。それはこのパッドが持つ上品な美しさは勿論の事、長年夢見てきた革製パッドに対する感動、そしてそれを実際に使える喜びが、件の欠点を補って余りあるものだからである。輪行時の不都合は、何とか工夫して乗り越えてみよう。そしていつか、この問題を克服した、改良版革製パッドの登場を心待ちにしようではないか。 《ハンドルバー:日東135ランドナーバー/420mm(変更無し)》 ランドナーにはバルジ加工のハンドルバーが好まれる様だが、私は昔からフェール加工の物を使う主義だ。理由はいたって単純、フェールの方が強度がありそうだからである。 シルクにも同じ日東135を使っていたが、サイズは一回り狭い390mmの物だった。これは当時“幅の広すぎるハンドルバーは格好悪い”という妙な情報を鵜呑みにしていた為で、おかげでフロントバッグ両側の、肩紐用フックに親指付け根が接触し、サイクリング中に皮が剥けるという悲惨な結果を招いたのである。これに懲りて、当初から420mmのものを採用した次第。別に全然格好悪くない。 《バーテープ:フジタ・革/黒→フジトシ・革/黒》 バーテープは昔と変わらず、黒の本革製。細めのグリップが好きなので、綿テープの下地巻きはせず、ハンドルバーに直接巻いている。現在ではあのブルックスからも革のバーテープが販売されているが、見た目といい、触感といい、どうも私が求めているものとは異なる。今でも昔ながらの国産品を購入出来ると知り、ネットを通じて入手。ところが巻き終わるまで気が付かなかったのだが・・・販売元が昔はフジ“タ”だったのに、フジ“トシ”になっている。製品の差異は見られないので不思議に思ったのだが、実はこの二つの会社はいわゆる“兄弟会社”との事。事情はどうあれ、昔と変わらない製品を提供してくれるのは嬉しい限り。 単順に巻いただけの革バーテープ。ちなみに私はヘンプ巻きにも、シェラックニスにも興味が無い。マニアっぽさが強くなる事にどうも抵抗があるのだ。巻き終わりは革用ボンドで止めるという豪胆さが好み。革製バーテープにニスを塗る方もいるが、間違いなく吸湿性を損なうはずだ。革テープに付き物の繋ぎ目は痛み易いので、そこを保護できるという利点はあるだろう。いずれにせよ使ったことが無いので、これ以上のコメントは差し控える。 高価な革製バーテープを巻くに当たり、頭を悩ませたのはその巻き方だ。“グリップ時の力のかかる方向が螺旋の進行方向と同一でないと緩んでしまう”というのが鉄則。下から巻き始め、ブレーキのグリップ部で反転、そそまま上部へ・・・というのがこれまでの私の巻き方だった。 今回、これまでと事情が異なるのはブレーキパッドがゴム製から革製に変わっている点である。今まではグリップ部でバーテープが少々盛り上がっても、ゴム製パッドがそれを吸収してくれていた。が、革製パッドだとそうは行かない。下手をすると、せっかくの高級革パッドの変形を招く事になりかねない。つまり、極力“バーテープをグリップに乗せない”巻き方を工夫する必要があるのだ。そこで昔サイスポで読んだ記憶のある“ブレーキグリップ部から上下に巻いていく”方法を試してみようとした。ところがこの巻き方、念のためネットで情報収集したところ、すこぶる評判が悪い。具体的に何が問題なのか良く分からないのだが、あまりの不評に怖気づいてしまい、却下。 思案の結果、最終的には従来の方法をアレンジして巻いてみたのだが、どうしてもグリップ部の巻き方に無理がある。下地のハンドルバーを見せない事が腕の見せ所なのだが、満足できる結果にはならなかった。“究極のランドナー”には“究極の巻き方”をと思っていたのだが、残念ながら決定版と言える方法を発明する事は叶わなかった。この問題は永遠の課題として、今後も私を悩ませ続ける事だろう。 《バーエンド:VIVA?アルミエンド(変更無し)》 今回使用する(たぶん)VIVA製(右)と、シルクにつけていた(たぶん)城東スポーツマン製(左)。いずれも4mmアーレンキーで止める物。 画像をご覧頂きたい。私にとって究極のバーエンドは、実は左側の物なのだ。どちらも内部のウスを締め付けるタイプなのだが、右の物は間にゴムを噛ませている。どうもこれが必要ないと言うか軟弱と言うか、直接バーに食い込ませた方が男らしいというか・・・下らない理由だが、まあ要するに好みだろう。細かい事を言えば、城東製が周囲の角を大きく削っているのに対し、VIVA製は角を残している。その為VIVA製を使うとハンドルバー下部が延長された印象を受けてしまうのだ。更に城東製はバーとの外輪差を大きめに取っている為、分厚い革製テープを使用する際にはバー末端のまとまりが良い。小さなパーツだが、大いにお気に入りのパーツなのだ。 ならばなぜそちらを使わないのか?あまりに傷が付き過ぎて見苦しい事もあるが、もう乗らなくなったとは言え長年世話になったシルクのパーツを取り上げるのは気が引けるのだ。このパーツだけは、新品が手に入れば付け替えたいと思っている。 いよいよ完成間近となった我がランドナー。次回、こだわりのアクセサリーの章をもって、一応の区切りを付けたいと思う。プレ完成発表会(?)まであと僅か。もう少しだけお付き合い下さい。
by james_y1964
| 2008-08-17 12:14
| 『Project究極のランドナー』
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