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2008年 08月 10日
《サドル:ブルックス・チームプロ(変更無し)》
我々が“ランドナー”と称する旅行車はその名の通り、フランスが発祥とされている。しかし日本国内のそれは独自の発展を遂げ、私の愛車も含め、本家のものとは異なる形態に熟成していった・・・らしい。以上、様々な情報からの受け売りである。私がサイクリングを始めた頃(1980年)は日本式ランドナー全盛で、既に完成していた“形”を当然のものとして受け入れたものだ。同世代のサイクリストなら、まあ似たようなものだろう。 日本式ランドナーを象徴するパーツの一つが革サドルだと思う。車種の上ではフランス系のはずなのに、サドルだけはブルックス派とイデアル派に分かれていたのだ。勿論『クラブモデルにイデアルなど考えられない』『ランドヌーズにブルックスなんて』という厳格な趣味性を尊ぶ方々には次元の違う話ではあるが。考えてみればカンパ(イタリア)とマファック(フランス)を併用したランドナーも珍しくなく、国籍を超えたパーツアッセンブルの楽しさは日本式ランドナーが育んだ自転車趣味の面白さなのかもしれない。彼の地ではどうなのか知らないが。 ![]() 当時の最高峰、ブルックス・チームプロ(奥)、イデアル90(手前)。正式名称が“プロフェッショナル・チームプロ”か、“チームプロフェッショナル”なのか、はたまた単にブルプロの大銅鋲バージョンなのか、未だによく分らない。イデアル方は未来の“究極のスポルティーフ”の為に20年前に購入した秘蔵品。そちらはいったいいつになる事やら。 サイクリングを始めた当初から、私はブルックス派。個人的なイメージではイデアルは女性的で繊細、ブルックスは男性的・硬派。ブルックスのカラーバリエーションが黒主体だった事もあるが、製品構成がイデアルに比べてシンプルで、初心者としてはとっつき易かった事は大きかっただろう。ブルプロを選べばオワリのブルックスに対し、イデアルはやれ軽合板フレームだの、サイン入りだの、なんとなくマニアック過ぎて敷居が高かったのだ。 ブルックスはイデアルよりも革が硬く、耐久性に勝るとされていたような気もする。耐久性云々についてはメンテナンスに左右されるものであり、誤った情報だったのかもしれない。しかし現実に私が購入し、シルクに組み付けて大学サイクリング部時代に走り回ったチームプロは全く変形せず、少々の雨でもへこたれなかった。それどころか私の尻の形に馴染むのを拒む程硬く、後に“鋼鉄のサドル”と異名を取る事になる。『尻の形に馴染んだ革サドルは最高』とよく言われるが、私のブルックスに関しては結局当てはまらないまま終った。必死で純正オイルを塗りこんだにも係わらず、である。あのサドルに跨って一ヶ月間、日本縦断を行った時の尻の痛さは忘れる事が出来ない。 一方、部員仲間のMが付けたのはイデアル90。彼のメンテナンスの度合いはよく分らないが、こちらは何度目かの雨で完全に変形し尽し、上部が鋭角的に起立する形状に至った。仲間内では“三角木馬”と呼ばれていたが、Mはどういう方法を使ったのか、いつの間にか元の形に整形していたのには驚いたものだ。 そんな事も有り、我がランドナーの為に選ばれたのはやはりブルックス・チームプロ。近いうちに入手困難になるという噂を聞き、未来のオーダーランドナーの為に慌てて購入したもので、80年代終わり頃だったと思う。出来るだけ厚めのものを選ぶのが革サドル購入の定石らしいが、シルクの時に懲りたので“ほどほどの物”を選択(当時はまだ、店頭に複数ある中から選べた幸せな時代だった)。更に、もう尻に負担は掛けたくないので幅もやや細めの物に。そのせいか、未だ馴染んではいないが、シルクに付けていた先代の物よりも遥かに座り心地は良い。この黒いサドルを使い込むと、地肌の茶色が中央だけ透けて見えるようになり、大銅鋲は黄金色に輝き始めるのだ。我がブルックスがそうなる事を夢見て、当分の間は尻の痛さは目をつぶる事にしよう。 ![]() そのブルックスであるが、しばらく見なくなった後、後部プレートのロゴがデザイン変更されて再び市場に出回り始めた。イタリアの会社に買収され、復活したという。なる程、サドルバッグやバーテープ等、最近の周辺グッズの充実はそのあたりの事情とわかれば納得できる。かつてのサドル一本で勝負していた頃と比べれば、やや軟派な印象を受けないと言えば嘘になる。しかし愛するブランドを残してくれた事を思えば、そんな事を言うのは罰当たりなのかもしれない。 《シートピラー:シマノ600(変更無し)》 私は案外、シートピラーにはそれ程こだわらない。と言うか、サドルをちゃんと固定してくれれば満足なので、条件さえ満たせばそれ以上高価・希少なものは必要無いと感じるのだ。レースに使う訳ではない(つまりそこまでシビアな取り付け角度を要求しない)ので、 サドルの固定はメンテナンスが楽な一本締めで十分。品質もシマノ600程度なら文句無く、デュラまで付ける必要は無い。私が選んだのは、確か600EXから“NEW”600にモデルチェンジした頃の物だと思うが、はっきりと覚えていない。 ![]() 実はこのピラー、あのシマノ600“AX”と全く同型なのである。エアロとは名ばかりの無骨で実用的なデザインで、私は大変気に入って600AXピラー(勿論涙滴型でなく、真円型のもの)をシルクに付けていた程なのだ。エアロブームの生んだ数少ない隠れた傑作パーツ、と密かに肩入れしていたのだが、後にこれがデュラエースEXと同じものと知り、がっかり(?)する。側面の溝の有無はともかく、おそらく同じ金型で作ったのだろう。私が知らなかっただけで、70年代末期、既に世に出ていたのであった。 ![]() サドルバッグ取り付けに備え、定番のVIVAのサドルバッグループを装着。ただし今後変更の可能性、大。 ■
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by james_y1964
| 2008-08-10 10:12
| 『Project究極のランドナー』
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Comments(5)
私も初めての本格的?革サドルにブルックス チームプロを選びました。イデアルが、だらしなく(オーナーは馴染んでいるというのかもしれませんが自分にはそう見えた)変形している写真を雑誌でよく見かけていましたので。
自分の買ったブルックスもジェームスさんと同じように何をしようが、なじみませんでした(笑)、自分のお尻には合っていた様で痛みを感じなかったのは幸いでした。 最近、自分の物と、ほぼ同年代と思われるブルックス チームプロを手に入れましたが(中古品)革の感じがまったく違い柔らかで前オーナーのお尻の形?に変形しており、今更ながら、「つくづく革は生き物で当り、はずれがあるのだな」と思っております。 それにしても「サヌカイト状態」には笑いました。あれは石器の材料になるぐらい石の中でも固いですからねぇ。 ![]()
コルサさん、こんばんは。
うーん、やっぱりブルプロは固いのでしょうかねえ?B17などに開いていた穴は革の伸びを促進する為のものという事をずっと後になって知ったのですが、やっぱり最高級品という誘惑の方が強かったのと、穴のところでズボンが擦り切れる恐れがあったのとで(実際はそんな事は無いでしょうけど)チームプロを選んだのです。もっとも後発のセレクトは再び穴開きに(笑)。本場のレースシーンでは、尻に馴染むまで待つなどと悠長な事は言っていられず、すりこぎ棒やビール瓶(?)で慣らしまくってたらしいですね。恐れ多くてとてもできない(笑)。 けどコルサさんのコメントを読んで安心しました。私以外にもいたんだあ、何をしても馴染まなかったヒトが(爆笑)! ![]()
初めての革サドルは、フジタのプロフェショナル(小錨)でした。
硬くて馴染まないので、めいっぱいヤスリがけして、油づけにしました。 次のブルックスのB17スタンダードは、拍子抜けするほど簡単に馴染んで、すぐお釈迦になりました。 その次はジェームズさんと同じチームプロで、これは品質も良くお尻の形にも合ったようで重宝しました。 ただし、先端がカットしてあるタイプが好みなのですが、これは先端が被っているタイプでした。 同時期にイデアル90(軽合ベース)も入手して、併用していましたが、シルエットのカッコ良さとは裏腹に、私の骨盤には合わない形状らしく、とても痛かったのですぐに手放してしまいました。 いまウチの自転車についているのは、いにしえの国産「大洋製作所」(太陽だったかな?)のイデアル型のコピーです。革も硬いせいもあってとってもイタイ・・・・・サドルってホントに難しいです。 ![]()
あ!サドルオイルで思い出しましたが、ブルックスのサドルオイル(昔の真っ赤で臭いやつ)は、保革油としては良好ですが、馴染ませるのにはあまり期待できません。
革をやわらかく馴染ませるには「ミンクオイル」が非常に良く、サドルの骨盤に当たる部分に塗りこんでやると具合が良いです。 でも、塗りすぎたり全体に塗ると、サドルの「芯」が無くなってしまい、ヘナヘナになってしまうので要注意です。 ![]()
ぬうぼマンさん、おはようございます。市販ランドナーにはフジタの革サドルがよく使われてましたね。初めて買ったシルクもそうでしたが、そう使わないうちに(ミーハー根性丸出しで)ブルックスに変えました。ぬうぼマンさんとは逆に、ブルックスよりも遥かに柔らかかったと記憶しています。もし使い続けていれば、すぐにへたっていたかも・・・ですが、それも実証したわけではありません。従ってサイスポ記事に書かれていた“国産革サドルは外国産には太刀打ちできない”ほど劣るのかどうか、全くわかりません。けど今でも一部マニアには(あえて?)フジタを使っている方もいるそうなので、案外そこまでけなされる程悪くはないのでしょうか・・・?未だに疑問。
おお、純正オイルはやはりあまり仕事をしないのですね(笑)。わたしゃ一缶使い切ってもダメでしたから。偶然ですが、現在はぬうぼマンさんのアドバイス通り、ミンクオイル(ワークブーツでおなじみのレッドウィング製)を、馴染んでほしい部分ににのみ塗りたくってます。こんどこそ、我が尻に馴染む事を願いながら。
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