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2008年 07月 04日
最近計った私の身長は169cm。20代の頃に計った169.5cmというのが最も大きい値である。5mm程度は十分誤差の範疇だろうし、背が伸びたり縮んだりした訳ではないだろう。若い頃は見栄を張って『丁度170cm』と偽っていたのだが、その後必ず『いや、ひょっとしたら170無いかも』と付け足していたのは正直と言うか、気が弱いと言うか。
しかしこの(おおよそ)170cmという身長は実に中途半端で、衣料品を買う時、LサイズにするかMサイズにするか、非常に困るのである。Lは大きすぎるし、Mでは窮屈。あと少し背が高ければ、無理なくLサイズのジャケットを着こなす事ができるのに。特にブリーフを買う時などは・・・いや、そんな事はどうでもよい。 この身長では自転車のサイズ決定に置いても、同様に悩ましい問題が起きる。一応自分ではランドナーの適正フレームサイズは530mmと思っているのだが、このサイズではおそらくほとんどの市販ランドナーではトウクリップがFマッドガードに接触する様だ。更に、シートチューブから上に出すピラーの長さ、あるいはステムの突き出し寸法などの“見栄え”にも係わってくる。多くのサイクリストにとって、それらはヘッドチューブと同様ある程度長いほうが格好良いとされており、下限まで下げられたサドルや突き出しのほとんど無いステムのスポーツ車に好んで乗るサイクリストはまずいないだろう。こんな事を言うと私より背の低いサイクリストの方々から『何を贅沢な事を言っておるのだ』と文句を言われるに違いないのだが。お叱り覚悟で、少しだけ贅沢なたわごとにお付き合い頂きたい。 フレームサイズ530mmのシルクランドナーを長年愛用した経験上、私にとって最適なステムの突き出し寸法は70mm、という結論に達した。本当はもうちょっと長くしたいのだが、ロードならともかく、のんびり走るランドナーでは出来るだけ上体を起こしたい。かと言って、突き出し60mm以下では短すぎてあまり格好良くな・・・いや、好みではない。私にとって《フレームサイズ530:突き出し寸法70mm》というのは、見栄え、実用、そして少しの妥協の中から導き出された黄金率なのである。 前置きが明らかに長すぎたが、ようやく本題に入る。 完成当初、我が『究極のランドナー』に取り付けられたステムはアタックス・フィリップ。まごうことなきフランス製、マニア御用達の高級品である。もっとも私にこのフランス製ステムへの深い造詣やこだわりがあった訳ではない。ただ単に『せっかくのフルオーダー車にはそれにふさわしい高級品を』、そして『なんとなくカッコイイから』という、見事なまでのミーハー精神で購入したのである。当時は(今もだが)フランス規格についての知識などほとんど無く、『特にきしみも無いし、まあいいか』という具合であった。 アタックス・フィリップ。台形ウスを輪行用に斜ウスに改造してある。突き出しもパール7とほぼ同じで実用上の支障は無い。トップのステッカーはキズが付いてしまったが、両サイドのプレートは健在。クランプナットは付かず、本体裏側にネジが切られている。 さて今回の復活に際し、このステムを日東パールに変更しようと思う。その理由は以下の通り。 (1)実用本位に重きを置く (2)ドロップハンドル3点ポジションの完全実施 そもそも(多分)フランス規格のこのステムがフレームに合っているかどうか、未だに確認していない。(1)の実用本位という点では、ここは確実に適正サイズの国産パーツを付けるべきだろう。が、それだけではない。確かに両サイドに配されたプレートは高級感溢れる美しさを誇るが、いつ剥がれるかと思うと輪行するのも気が気でない。その点日東パールはシンプルでいて十分美しく、かつ長年の使用実績における信頼も厚い。 更に重要となるのが(2)である。実は今回の復活プロジェクトでの最大のテーマの一つがこれなのだ。3点ポジションへのこだわりは既に第14章でくどい程述べたが、その為にはどうしてもFバッグサポーターを取り付けなければならい。このランドナーをオーダーした当初はあまりこの点にはこだわっていなかった。だからこそシンプルな美しさを、クランプナットを廃したフィリップのステムに求めたのだが、それではFバッグサポーターを取り付ける事は不可能だ。反対側で大きなクランプナットによって締め付けるタイプならそんな事で悩む必要はないし、実際にそんな日東の古いステムを愛用している先輩サイクリストも少なくない。しかし失礼ながら、パール出現後にサイクリングを始めた私にとって、あの巨大なナットが余りに不細工に見えてしまうのだ。クランプナットを本体形状に沿わせて加工したパールに目が慣らされている為だろう。 幸い私の手元には日東純正の蔵王Fバッグサポーターがある。Fバッグとの兼ね合いは今後の課題として残っているが、これを使う以上、あるいは最悪の場合フルオーダーでバッグサポーターを作るにせよ、スッキリとした外観を実現する為には日東パールを使うしか無いのだ。私がパールのステムにこだわるのは、こうした理由からなのである。 蔵王Fバッグサポーター。純正品ならではの、クランプボルトも兼ねた取り付け部は微塵の隙も無いデザイン。今のところ、これを活用してドロップハンドル3点ポジション完全実施を計画しているのだが・・・。 いつもの様にネットオークションを閲覧していたある日の事。私の目の中に飛び込んで来た一本のステムがあった。それは何の変哲も無いパールのステム・・・では無かった。両サイドに掘られた刻印、それはもう永久に手に入れることの出来ないALPS刻印入りの特製パールではないか! 一目ぼれしたアルプスオリジナルステム(パール8)。原則としてアルプスでオーダーした自転車だけに付けられるパーツだが、単品でも販売されていた様だ。いずれにしても神田アルプスは既に閉店した後だったのである。中古とはいえ新品同様。 アルプスオリジナルフロントバッグにあれ程文句を言った私だが(第13・14章参照)、神田アルプスへの憧れと畏敬の念はそれとはまた別。無性に欲しくなったのだが、あいにくとこれはパール“8”であり、私のこだわる“7”ではない。ムクムクと頭をもたげるミーハー根性と、自分のポリシーとを天秤にかける事一週間、遂に私はこのステムを結構な金額で落札してしまった。 (1cmくらい突き出しが伸びても、大勢に影響は無いだろう。その方が見栄えも良いし。) 貴重なステムを手にした私は有頂天になっていた。元来私は希少パーツを自慢するためだけに蒐集する輩を軽蔑しており、そんな彼らの為に実用目的のパーツがどんどん入手困難になるのを常日頃から憂いていたはずだ。もしもこのステムがパール“7”なら何も問題は無かったのだが、冷静に考えれば、そこまでして購入すべきステムだったのか。 貴重なパーツを入手した喜びの中、その行動が自らのポリシーから大きく外れている事に気付かずにいた私は、案の定大きなしっぺ返しを食らう事になる。(続く)
by james_y1964
| 2008-07-04 16:26
| 『Project究極のランドナー』
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