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2017年 05月 07日
旧大野原町(観音寺市)と旧池田町(三好市)をつなぐ曼陀(まんだ)峠を越えるのは三度目になる。最初は輪友・さんつあ~ひ~ろ~さんと讃岐側から、二度目はソロで阿波側から。
讃岐側はふもとから曼陀トンネルまで立派な新道が敷かれていて、初めて訪れた際にはその激坂に泣かされたものだ。ゼエゼエ息を切らしながら登っている時、左手の谷川沿いに集落がチラホラ見えていたのを覚えている。 (古の街道はあの谷筋に延びているに違いない。いずれ旧道からこの峠を攻めてみたいものだ。) あれから7年。パスハンターもオーダーし、入手出来得る範囲の情報も仕入れた。準備万端、気合十分。愛車をクルマに積み込み、夜明け前から自宅を出発したのであった。 4月30日(日)早朝5時40分、観音寺市にある《道の駅ことひき》に到着。阿讃の峠を越えるのにわざわざ観音寺の海際まで来たのには理由がある。 寛政年間(18世紀終盤)以後、阿波の池田で生産されたたばこが粟島(三豊市・旧宅間町)に運ばれ、日本海や北海道、大阪方面にまで出荷されるようになった。粟島のたばこ問屋はその中継地点として大いに栄えたそうである。池田~粟島を結ぶルートとして、曼陀峠を往来した可能性は高く、ならば観音寺の港から曼陀峠を経て池田までを一本の街道と解釈してもよいだろう。 以上は香川県教育委員会の資料から要約したもので、それに従い、今回の起点を観音寺とした訳である。 一角を道の駅として登録したものらしく、どこからどこまでが道の駅 エリアなのかよくわからない。今回クルマをデポしたのは未舗装(!) の駐車場。 道の駅を含む琴弾公園には見どころも多いが、今回の目的から外れるので長居せずに出発。まずは本来のスタート地点、かつての観音寺港に向かう。とはいえ、埋め立てによって地形が大きく変わっているので、正確な場所は分からない。資料とにらめっこして、だいだいこの辺りだろう、という所に目星をつけ、写真を撮ったら即出発だ。 観音寺の港は財田川と一の谷川に挟まれた鋭角地に設けられ、その街並みは往時の雰囲気を色濃く残している。クネクネと曲がる旧道を通って市街地を抜けると、街道は県道8号・観音寺佐野線として南に向かい、ありふれた田舎の風景の中を南下。理屈をつけて海抜0mから走り出したのだが、本来の目的は峠道であるから退屈だ。特に見るべきものも無いだろう、と思いながら走っていると、『町文化財 大楠 生木地蔵』という、私のツボに触れる看板を発見。案内板に従って進むと、お堂のまわりを数人の地元の方々が掃き掃除されていた。 『このお堂の裏に大きな楠木があって、幹の窪みの中に、生木のまま彫られたお地蔵様があるんですよ。』 おじいさんは親切に教えてくれたのだが、肝心のお地蔵様はお堂の中の見学穴を覗かなければ拝観できない。生憎時間が早すぎて、お堂には鍵がかかっている。残念だが、またの機会に訪問する事にしよう。 (刃牙ネタ)。 田植えシーズン真っ盛りの田園地帯をどんどん進むと、大きな溜池が見えてきた。スタート地点から曼陀峠までのほぼ中間地点に位置する、井関池である。 これまで走って来たルートは、寛永20年(1643年)に始まったこの溜池の構築工事の為、大幅に拡張された歴史を持つ。伊関池の工事は沿道の発展にも大きく関与しており、今回の峠行の起点を観音寺港にした理由の一つでもあったのだ。しばし歴史に思いを馳せながら小休止を取り、いよいよ峠の取り付きに向かう。 築10年でその役目を終え、現在は観音寺市教育センターと なっている。 井関池の水源となる柞田川に並走する道が右に枝分かれしているが、そちらは午後から登る予定の唐谷峠に続く県道9号・大野原川之江線。県道8号線は支流の前田川と一緒に、引き続き曼陀峠を目指している。 この二本の川の合流地点に当たるのが落合集落で、私が目指す旧道は県道から左に逸れ、民家の間をクネクネと遡っていた。なかなかに味わい深い道なのだが、行く手には五郷ダムが立ちはだかり、旧道は湖底に没している。幸い県道に上る道が敷かれていたので、引き返すことなくダム湖畔に移動。曼陀峠の核心部が近づいてきた。 (続く)
by james_y1964
| 2017-05-07 21:22
| 『阿讃の峠と温泉と』
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