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2012年 05月 20日
予定通りと言うか予想通りと言うか。今年もGWの前半は実家の田植えの手伝いで消滅するも、どうにか最後の二日間の休日を確保できた。欲求不満、とにかくがむしゃらに走りたい。となると、ランドナーよりもスポルティーフの方がふさわしい。問題は何処に行くか、である。
二日もあれば何処にでも行けそうだが、あいにく私のスポルティーフは輪行仕様では無い。そもそも遠征する程の軍資金が無い。となれば、おのずと四国島内、マイカー輪行で行ける範囲になる。おまけに私のスポルティーフは今時のツーリングマシンとは思えないクロスレシオで(F:50×39、R:13~22)、選択肢はおのずとフラットなコース中心にならざるを得ない。 しまなみ海道にするか、それとも道後温泉まで突っ走る“一人ブルベごっこ(片道200キロ)”も面白いではないか・・・とも考えたが、どちらも帰路の設定に難がある。クルマ輪行はどうしてもデポ地に戻らなければならず、ループを描くコースに縛られてしまうのだ。道後温泉は魅力だが、来た道を引き返す“400キロ一人ブルベごっこ”は、あまりに厳しく、空しい。 2012年5月5日(日)、晴天。徳島県海陽町、高知県境に近い道の駅・宍喰温泉に到着。時刻は既に午前9時を回っている。例によって準備に手間取り、出発が遅れたおかげである。ここにクルマを停めて置き、四国の東南端、室戸岬を目指すのだ。無論サイクリング終了後、温泉で汗を流す魂胆である。 コースはこちら、ルートラボを参照ください。 室戸岬は20年以上前に先代の愛車、シルクと共に訪れた事がある。久々の訪問だが、海岸線の国道は交通量も少なく、総じてアップダウンも大した事は無い筈だ。頑張れば私の貧脚でも日帰りできるだろう。スポルティーフにはうってつけのコースである。 もっとも単純にピストンしたくはないので、まず山側から岬の反対側に出て、海岸線を回ってデポ地に戻る事にした。前半は峠越えになるが、今回は全線国道である。そう厳しくもないだろう・・・という甘い考えであった。 自転車をクルマから下ろし、出発。太平洋を左手に見ながら、早速の登りである。スタート直後で張り切っている為、全く苦にはならない。が、高知県境を越えるとすぐに大きな駐車場が現れ、『海の駅』という看板が目に入った。駐車場の向こうは海水浴場、大きなホテルも隣接してある。 (しまった、こっちをにクルマを停めればよかった)と後悔する。僅か数キロしか離れていないが、こちらをデポ地にすれば、高知県内でコースが完結するのだ。移動だけの為に2県をまたがった事が、どうも面白くない。 海岸線の道を登り、トンネルを越えて見下ろす海にはサーファーが溢れている。持参した地図には≪毎年世界大会も開催されるサーファーの聖地≫とある。海岸にはハワイアンなショップが立ち並び、その前にたむろするのはいかにもサーファーっぽい兄ちゃん姉ちゃん達。場違いな私は逃げる様にペダルを踏む。 掲げる様である。染められた絵柄や文言には様々なバリエーションがあり、 実に興味深い。 小さな集落に寄り道して国道に戻ると、山側ルートへの分岐を示す標識が現れた。ここを右折して国道493号線を走り、岬の反対側の奈半利(なはり)町に抜けるのである。このルート、地図には≪旧土佐浜街道≫とあり、歴史ある街道らしいのだが、今回はほとんど下調べをしていない。取り付き地点からピークの四郎ヶ野峠(標高490m)までの距離が嫌に短い様な気がしたが、あまり深く考えない事にする。 右折し、野根川沿いの道に入ると、目の前に広がるのは青葉茂る山々。すがすがしい風は快適で、見上げるる空には雲ひとつ無い。来て良かった、としみじみ思う。が、のんびりムードはその辺りまでであった。 野根川を渡って山手に取り付いた途端、道路状況は一変する。道幅は一挙に狭まり、『落石注意』『山岳道路』というおどろおどろしいい標識が設けられているではないか。 (やられた)と思うが、幸い路面はそう悪くはない。クロスレシオのスポルティーフにはかなりキツい坂を、ヒイヒイ言いながら登る。 写真撮影兼小休止を繰り返して登り続けると、ヘアピンカーブに≪芝御茶屋の段≫と書かれた立派な案内板が立っている。殿様も籠から降りて休憩を取った場所らしく、それに倣って私もサドルから腰を下ろしてボトルから水分補給。脇にはもう一枚説明版があり、それによれば ≪この大カーブの左下方が、四郎ヶ野峠から野根へ至る旧街道の難所 左手ヶ坂です・・・(後略)≫ (そうか、やっぱり難所だったのか。) キチンと地図を見れば始めから分かる事だが、今回は平素以上に準備不足。と言うより、学習能力が無い私はヨレヨレになるまで気付かないのである。国道から反れる古道には街道の目印にもなった大杉の古株も残されているらしいが、寄り道する時間も体力も惜しい。重い腰を上げて、再びサドルに跨った。 殿様の籠を左肩に担いで横ばいで進まなければならなかった事から由来する。 四郎ヶ野峠には芝御茶屋の段から10分程で到着した。木々に囲まれた峠はベンチや公衆トイレも設けられており、四国のみちに指定された古道の登り口になっている様だ。案内板の前で記念撮影しようと思ったが、その真正面にS13シルビアが居座っている。周囲に人影は無く、おそらくマナーの悪いハイカーがここに駐車して出掛けたのだろう。仕方が無いので斜めから苦しいアングルで記念撮影。案内板以外には見るべき物もないので、早々に出発する。 ろくに等高線を見ない私は(まだこの先、多少はアップダウンはあるだろう)と覚悟していたのだが、登り坂が現れる気配は無い。新緑溢れる舗装路の下りが延々続いてくれる、最高のダウンヒル。今回のサイクリングの主役はあくまで後半の海岸線ルートであり、前半の山道はオマケだったはずなのだが、それを忘れてうっとりする程である。 平鍋集落を過ぎると道路はようやく平坦になり、アップダウンが混じり始める。中岡慎太郎館に立ち寄ろうかとも思ったが、今回はあくまで走る事が主目的。観光はお預け、ひたすら下界を目指して13時20分、国道55号線に出る。ここから再び海岸線に戻り、いよいよ室戸岬を目指すのだが、ぼつぼつ時間が厳しくなってきた。 (いざとなったら民宿にでも飛び込もう。なに、連休といっても一部屋くらいなんとかなるさ。) 楽観的な私だったのだが、実は時間とは別の問題が、じわりじわりと起き始めていたのである。 (続く)
by james_y1964
| 2012-05-20 08:24
| 『スポルティーフで行こう!』
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