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2009年 07月 02日
スポルティーフの定義とは?
J『予算問題はちょっと横に置いといて、と。』 T『置いとけないだろう。』 J『いいの。ひょっとしたら神風が吹くかもしれん。で、まずスポルティーフの定義なのだが。』 T『定義って・・・また硬い所から入るなあ。どうでもいいじゃん、そんなの。』 J『ダメだ!まずそこんところをはっきりさせとかないとないと、ピントがボケた自転車になっち まう。』 T『そうかなあ。けどあるにはあるんだろ?スポルティーフの定義。』 J『まあね。ウィキペディアから要約すると≪フランス系の旅行用自転車で、平易にはロード レーサーに前照灯、どろよけ、キャリアを取り付けた形態。主に舗装路を快走することに 力点を置く≫となってる。』 T『じゃ、それでいいじゃん。』 J『それがそうはイカンのだ。』 T『・・・だからなぜ?』 J『定義の前に、スポルティーフの“型”について話そう。前回紹介したBSユーラシアグラン の広告を、もう一度よく見て、いや、読んで欲しい。』 T『・・・フムフム。こりゃまた熱く語ってるなあ。これがスポルティーフだ!みたいな。』 J『だろ?これが絶対という訳じゃないんだろうけど、スポルティーフの型ってヤツを一通り 提示してるんだよね。同じユーラシアのツーリング(ランドナー)との差別化の為でも あったんだろうけど。』 T『なるほど。これを見るとBS社の言うところのスポルティーフの型というのは・・・ (1)700Cで細めのWOタイヤ (2)クロスレシオのギア(前後とも) (3)センタープルブレーキ (4)R6段×F2段の12段変速 (5)インフレーターはシートチューブ前 てなところかな。ランドナーとは常用速度が違いまっせ、という点を強くアピールしてるな。 マッドガードは別にして、ロードと違うのはWOタイヤとブレーキくらいかな?』 J『ロードは当時からサイドプルが定番だったからね。ウィキペディアには“マッドガードを 付ける為”と書いてたけど、サイドプルだってラージサイズもあったから、なぜセンタープル でなきゃいけなかったという点は突っ込み甲斐があるポイントかもしれない。』 T『で、とにかく吉田少年はこの広告に洗脳されたわけだ。』 J『そういう事。それにしても、よく出来た広告だよな。購買層の中高生にドンピシャの内容 だし。12段変速にする為にわざわざウルトラ6のボスフリーを使って“これが踏みこなせ ないようなら5段のレギュラーフリーに”なんて挑発されたら、そりゃ“踏んだるわい!”って 思うだろ?』 T『あはは、確かに。・・・で?スポルティーフの型ってヤツは大体分かったけど、定義とどう 関係があるんだい?』 J『そろそろ本題に入ろうか。何度も言うけど、スポルティーフは常用速度がランドナーより 速い、つまり快走車だって事は異論無いだろう?』 T『うん。』 J『だから私も最初、このユーラシアグランそっくりなスポルティーフを作りたかったんだ。 ちょっぴり贅沢な工作を施したフレームに、ハイグレードのパーツを組んで。ところが 最近は・・・速く走るのがしんどくなった。』 T『トシのせい?』 J『はっきり言うなあ。ま、そうなんだけどね。とにかく、長時間ガンガン走るのがかなりキツく なった。けどスポルティーフは欲しい。』 T『じゃ、常用速度を遅く設定したスケルトンにしてもらえばいいじゃん。フォークオフセットを 長く取って、ヘッドアングルを寝かせて・・・』 J『そういう事になるだろ?けど良く考えてみろよ。それって、もうスポルティーフって 呼べないんじゃないのか?単なるタイヤの細いランドナー、もしくは700Cランドナー って事にならないか?』 T『・・・ははあ、だんんだん分かってきたぞ。相棒が何でスポルティーフの定義に拘ってた のか。』 J『分かる?私が今度作りたいのはスポルティーフであって、ランドナーじゃない。常用速度 の遅い自転車をもう一台作ったって、オマエの出番が減るだけだぞ。』 T『そりゃ困る!じゃ、作らなけりゃいいじゃん。』 J『いやだーっ!欲しいんだよ、ブルーのスポルティーフが!昔から憧れだったんじゃああ!』 T『落ち着け、どう、どう。』 J『ハアハア。つい取り乱してしまった。で、オマエに見てもらいたい別のユーラシアの広告 がある。』 T『これは・・・』 J『ユーラシアグラン ディアゴナール。ユーラシアグランにはもともとランドナーとスポルティ ーフ、ロードの3機種がラインナップされてたんだけど、このディアゴナールはずいぶん後 になって加えられた車種なんだ。』 T『700Cという所はスポルティーフと同じだけど、ところどころ違うな。ブレーキはカンティ で、チェンホイールはTAタイプのトリプルか。Fキャリア直付けのライトが凝ってるなあ。 これは・・・スポルティーフに属するのかな?いや、700Cランドナーと言うべきか?』 J『ウィキペディアでは700Cランドナーって言い切ってたけどね。BS社としては、ランドナー でも、スポルティーフでもない新しいジャンルの車種を提示したかったんじゃないかな。 けど正直なところ、“なんだこの中途半端なスタイルは”というのが当時の私の率直な 感想だった。やっぱりさっきの広告に洗脳されてたから。ただ、定番のランドナーや スポルティーフほど売れなかったのか、昔からあまり見かけないんだよね。』 T『・・・けど、その定番のスポルティーフに比べると、最近のオーダースポルティーフの フォルムはむしろこっちに近い気がする。よりマニアック、よりクラッシックというか。』 J『だろ?ユーラシアグラン スポルティーフの走りに徹したフォルムよりも、ディアゴナール の方がマニアにとっての遊びの部分が大きく取れるんだよな。』 T『うーん、ユーラシアグラン ディアゴナールかあ。世に出るのが早過ぎたのかも しれないな。』 J『私もそう思う。流石BSってね。ちなみに、このディアゴナールをサイズダウンしたモデル がユーラシアグラン プリミティーフ。同じスタイルで26×1・1/4のホイールだったと思う。 大学時代、サイクリング部の女子部員御用達だったけど、西サ連のハードな使用には 華奢なライトが耐えられず、ことごとく破損してたなあ。』 T『確かその彼女に振られたとか。』 J『その話はするな。』 T『BS社が提示したディアゴナールがスポルティーフかランドナーなのかはともかく、相棒が 望むスタイルはどうなんだ?』 J『スポルティーフはあくまで舗装平坦路を想定した快走車。だからFトリプルは不要。』 T『要するに、最初のユーラシアグラン スポルティーフのスタンスなわけね。』 J『うん。舶来パーツやクラッシックな方向に振る趣味もそれ程強くは無いし。』 T『となると問題は・・・定義だけだな。』 J『そうなんだよ!私としてはキチンと納得した上で作りたいんだ。』 T『えーっとね、相棒さあ・・・。俺に乗ってる時でも、飛ばす時は飛ばすだろ?いくら常用 速度の遅いランドナーだと言っても。』 J『そりゃそうだ。』 T『つまりフォークオフセットが長くたって、それは直進安定性が高まるというだけで、別に 飛ばせないわけじゃないんだ。スポルティーフの定義にしてみても、相棒独自の定義を 決めたらいいだけじゃないかなあ。』 J『という事はつまり・・・今回作る予定のスポルティーフは≪常用速度を遅く設定した スケルトンで、飛ばそうと思えば飛ばせる軽量フレームに細いタイヤ、見かけはあくまで 快走車、スケルトンまで聞くなよチクチョー!≫という仕様で行けばいいんだ?』 T『最後のチクショーがよくわからんが、まあそれでいいんじゃない?結局自分がそうだと 思ってたら、たとえタイヤが太かろうがカンティブレーキだろうが、それはスポルティーフ なんじゃないか?』 J『つまりスポルティーフの定義とは≪本人がそう思えば、それがスポルティーフ≫・・・ って事か。』 T『そうそう。同じ事がランドナーにも言えると思うよ。あまり硬く考える必要は無いんだ。』 J『うーんツヨシ、今回は良い事言ってくれたなあ。』 T『だからその呼び方はやめてくれって。』 (続く)
by james_y1964
| 2009-07-02 17:50
| 『P.究極のスポルティーフ』
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Comments(8)
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河っち
at 2009-07-04 22:28
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おお~っ!いよいよ始動しましたネ!期待してますよ~!
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ジェームス吉田
at 2009-07-05 05:20
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河っちさん、おはようございます。
いよいよと言うか、口ばっかしと言うか・・・(苦笑)。お金が無いのでなかなか現実にはムツカシイのですが、せめて妄想だけでも、というのがこの記事の本音です、ハイ(涙)。 徐々にパーツ構成も語っていきますので、気長にお付き合いくださいね!
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暇人
at 2009-07-07 10:49
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車で言うと、耐久レース仕様のレーシングカーですか。
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at 2009-07-13 11:35
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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james_y1964 at 2009-07-19 17:26
暇人さん、こんにちは!
>耐久レース仕様のレーシングカー う・・・そうかもしれません(笑)。スピードよりも、ひたすら走るってな感じだとしたら、確かにそうですね。 ただし、いつ完成するかは闇の中(笑)。
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numa
at 2009-09-04 21:05
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numa
at 2009-09-04 21:08
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james_y1964 at 2009-09-06 08:56
numaさん、お久しぶりです。お変わりありませんか?
>気持ちが仕事にいったりパソコン死んだりで いえいえ、仕事が第一ですよー。私もここのところブログに手をつけられない日々が・・・(涙)。 この青いユーラシアグラン・スポルティーフ、当時すっごくかっこよく映ったんですよねー。現物は私の友人(悪友T)が所有しています。 究極のスポルティーフのプロジェクトの方は・・・スイマセン、当分進まないかも(涙)。
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