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2008年 12月 14日
慌しく準備を整え、サドルバッグ一つの装備で東かがわ市の西端の市境に走りついたのはおおよそ午前10時30分頃。『頃』というのは、慌てて時計を忘れてきたのである。もう少し余裕を持ってスタートしたかったのはやまやまだが、どうせ市内を走るだけの事、引田で取る予定の昼食が少し遅くなるくらいで完走できるだろう。 もちろん鰤の試食を昼食にする訳ではない。ゴールとなる徳島県との県境のすぐ手前にうどん屋があり、これすなわち香川県最東端の讃岐うどん店なのだ。まさに今回の企画のラストにふさわしい昼食箇所ではないか。 今回の『海岸線走破』に当たって、私は一定のルールを定めている。それは『1/25,000の地図に記載された道路の、最も海岸線に近いルートを走る』というものだ。『幅員1.5メートル未満の道路』が地図上では最も狭い道として点線で表記されているが、自転車だともっと狭い道でも走る事はできる。海岸線に沿って築かれている防波堤などは最たる例で、地図上では道路としての表記は無いが、場所によっては自動車も走れる箇所もある。このあたりは『自転車で走れる限り海岸線に近いルート』という事で、柔軟に対応しようと思う。 山沿いの県道を東に向って走り出す。スタート地点の馬篠地区は、倭迹々日百襲姫命(ヤマトトトヒモモソヒメノミコト)が漂流したという伝説の残る地区で、馬篠漁港から少し南側へ登ったところに奉られる魯掛神社は、その船の魯を松ノ木に立て掛けたという事が縁起となっている。しかし私はその逆方向、馬篠漁港に向った。海岸線に沿って自転車で走れる小路でもありはしないか確認しようとしたのだが、案の定険しい断崖に阻まれ、そんなルートは見つからない。アップダウンの続く県道を素直に走るしか無い様だ。 左手に瀬戸内海を望むこの山沿いの道路は比較的サイクリングに向いている。私の実家からも近く、落ちこぼれ高校生だった私は帰宅後、毎日の様に自転車で往復したものだった。家人には『気分転換に』などと言っていたが、勿論勉強などしていた訳も無い。ただ、持って行き場の無いストレスを坂道にぶつけていただけの青春時代・・・。 そんな思い出に浸りながら走ると間も無く、視界が開けた。眼下に望むは白鳥まで続く海岸線だ。 坂を下り、番屋川の河口を渡る。ルールに従い、民家が密集する番屋地区の集落を一周してから海岸線に出る。ここから横内地区までは長いコンクリートの護岸(防波堤)が続く。平行して走る道路は私が幼い頃にはまだ無く、当時は自動車もこの防波堤の上を道路代わりに走っていたものだ。かつては高さ10メートルを越す程の見事な黒松の防風林が平行して並び立っていたのだが、昭和の終わり頃、全国的な松食い虫の被害によって壊滅した。今となっては切り株もうずもれている事だろう。往時を偲んで、防波堤の上を走る事にする。 与田川を渡り、しばらく走ると三本松港に着く。広く埋め立てられた区画は、工場等の誘致が目的だろう。一角には綺麗に整備された公園があり、大きな石に『三本松公園』の文字が刻まれている。古くからある三本松漁港はすぐその先だ。 ところで、今回私は三本松漁港で確認しておきたい事があった。それは地名の由来となったエビス神社の所在である。 『おおち夜話』(荒井とみ三・著、平成7年改定再販)によると、『この町の東部にエビス神社がある。この宮は、今から三百二十一年前の正保二年(1645年)に建てられたもので境内に三本の老松があったので、このエビスさまの付近の地を三本松という地名にした』という記載が古書にあるとの事。実家から直線距離で3kmに満たない三本松にあるその恵美須神社の所在地を、恥ずかしながら私は全く知らなかった。 (漁港のすぐ近くにあるだろう。) 私は安易に考えていたのだが、これがなかなか見つからない。5分ほどその辺りをうろついた挙句、結局通りすがりの地元の方を呼び止め、訪ねた。 『・・・さあ、わかりません。地名の由来だけなら、新しく出来た公園に説明板があったと思うんですけど。』 私と同世代と思われるその女性は、申し訳無さそうに答えてくれた。残念だが仕方がない、これ以上三本松で時間を潰す訳にはいかんのである。何せ昼までに引田に到着せねばならないのだ。しかし新しく出来た公園といえば、先ほど通り過ぎた場所ではないか。 私は急いで元来た道を引き返した。が、公園内を一周してもそれらしい案内板は無い。私はいよいよ諦めて、三本松港を通り過ぎようとしたその時、建物の隙間から立派な社殿が見えるではないか。 (なんだ、あるじゃないか!) 恵美須神社は私が探していた方向とは逆の、やや東よりにあった。私は漁港よりも少し西だろうと思って探していたのだが、それは勝手な思い込みだったのである。 さて、ここからが本番だ。普通ならバイパス道路を東に走るところだが、何せ『海岸線を極める』というのが今回のテーマである。港の東、須賀地区の北側など足を踏み入れた事も無い。私は漁港の裏側に入り込み、海岸線に沿って走り出した。 (続く)
by james_y1964
| 2008-12-14 14:07
| 『東かがわ市右往左往』
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Comments(2)
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numa
at 2008-12-17 22:08
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歴史のあるところですね。景観も美しい。
昨年までの同僚に香川県出身の方がいました。 いいところですよと言っていました。
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ジェーム吉田
at 2008-12-19 12:48
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numaさん、こんにちは。
至極平凡な町ですが、ちょっと掘り起こすと小ネタ的に見所があったりします。ユーラシアが復活したらぜひnumaさんも《ご近所ポタリング》されてはいかがでしょう?意外な発見があったりしますよ。 香川県は特に特徴のない県ですが、天災も少なく物価もまあまあ、確かに住みやすいところではあります。ご旅行の際にはせひご連絡を。おいしいうどん屋を紹介します!うどんにはちょっとウルサイので(香川県民はみんなそうですが・笑)。
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