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2008年 03月 07日
≪マファックレーサー→同改≫
主要パーツは国産品でまとめるのが今回の方針であるが、例外として電装はソービッツ、リムはマビック、ブレーキ本体はマファックを使用する。これらは日本式ランドナーとして一般的なアッセンブルであり、バランスを崩す事にはならないだろう。特にブレーキ=マファックは当時の多くのサイクリストが憧れた図式であり、性能面でも申し分ない。 ランドナーのブレーキはカンティが一般的で、マファッククリテリウムが定番だろう。実際、私もシルクにはマファックタンデム(本体のみ、シューはクリテ)を付けていた。しかし輪行の際に横に迫り出す本体が邪魔に感じていた上、当時のサイスポにはブレーキの構造上、制動力の順序を①センタープル②サイドプル③カンティとする記事があったと思う(掲載当時ははVブレーキなど存在しなかった)。それならランドナーと言えどもセンタープルを使わない手はないだろうと考えて採用した次第。 しかしこれは早計だった。車輪を外す際の窮屈さはある程度覚悟していたものの、ブレーキそのものの整備性はカンティの方が数段勝る。言うまでも無く、私の自転車に降りかかった“キャリアとの接触問題”など無縁である。先達の敷いた道にはちゃんとした根拠があったのだ。 さて、今回まず解決しなければいけないのが、その“ブレーキとキャリアの接触問題”である。どうすれば接触を回避できるのか。私はまず、ブレーキそのものを別の銘柄に変更する方法を考えた。出来ることならマファックを使いたい。色々調べ、候補に上がったのがコンペティション、そして2000。共にアーチワイヤーの太鼓を直接本体に固定する構造の為、キャリア方向に出っ張る固定ナットを使わない。レーサーの樹脂ブッシュに対し、共に耐久性に勝る真鍮ブッシュを使っている点も魅力だ。今回の復活に合わせて少しグレードを上げる誘惑もあり、レーサーからの変更を検討してみることにした。 問題の接触箇所。 コンペティション・2000共に、初期のボリュームのある刻印タイプおよび後期のアーチが薄くなったシールタイプがある。マニアの間では刻印タイプが珍重されているようだが、私のランドナーにはややクラッシックすぎる。むしろシールタイプの金属部品的?なイメージが私の好みに合っている。そこでまず、ネットオークションでシールタイプの2000を探すことにした。ところがレーサーは頻繁に出品されるものの、2000は中古ですらお目にかかれない。ここまで品薄になっていたとは知らなかった。しかしなんとか入手しなければ作業が進まないではないか。私は焦った。一方コンペティションがマッドガードの使用を前提としないスモールタイプである事は知っていたが、そちらならたまに新品が出品されている。そこで計画を変更し、コンペティションを使ってみる事にした。が、(シューの取り付け位置を一番下まで下げれば、何とかなるだろう)という希望的観測はあっけなく砕けた。やはりシューの取り付け角度に無理があったのだ。私は不本意ながら、せっかく入手したコンペティションを転売せざるを得なかった。新品未使用品を新古品に格下げしてしまっただけの、全く無駄な行為となった。 マファックコンペティション。祈る様な気持ちで取り付けてはみたものの・・・。 やはり2000でなければならないのだ。必死で探した結果、某ショップでシールタイプの新品が売られているではないか。しかしその値段を見て唖然とした。なんと1万8千円!私は躊躇した。大いに躊躇した結果・・・他の人に買われてしまったのである。 私は更に焦った。こうなるとどうしても2000が欲しい。しかしいつまで経ってもオークションに登場しないのである。やっと出品されたのが、中古のゴールドタイプ。これが最後のチャンスかもしれない。私は(少しだけ躊躇したが)思い切ってそれを落札。結構なお値段ではあったが、まさしく衝動買いだった。届いた現物は予想はしていたものの、恐ろしく派手である。幾ら何でも我がランドナーの“シブい”デザインコンセプトからはかけ離れているではないか。私は泣く泣く、その2000を使う事も断念したのであった。 程度は悪く無いが、とにかく派手。 その時、いささか疲れてきた私に天の声が聞こえてきたのである。 “キャリアの方を前に出せば解決するではないか!” なぜそんな簡単な事に、今まで気付かなかったのだろう。私はホームセンターでスペーサーとなるワッシャ(一枚4円!)を購入し、段付きボルトとキャリアの間に噛ませてみた。接触しているとは言えごく僅かなのだから、これでなんとか回避できそうだ。理論上は不必要なスペーサーではあるが、そう気になる程でもない。無駄な出費を重ねる必要など無かったのだ。 試行錯誤の末、私は当初の予定通りマファックレーサーを使い続ける事にした。ひん曲げたアーチを逆方向に曲げ戻してはみたが、肉眼ではどの程度戻ったのかは分からない。だが辛い目にあわせたこのブレーキに対する罪滅ぼしとして、この先もずっと使ってやりたい気持ちになってきたのである。それにアーチワイヤーの片側がナット固定式であるレーサーに対し、コンペと2000は両端が太鼓止めで、輪行の際に抜け落ちて紛失する可能性もあるではないか。勿論現実には起こりえないだろうが、理論上はそうである。いささかこじつけの感はあるが、私はこの“理論上”という言葉に弱い。自転車全体のバランスからすれば、むしろレーサーの方が我がランドナーにはふさわしくもある。一つだけ劣る点があるとすれば、レーサーが樹脂ブッシュを使用している事だろう。折も折、ネットオークションで自作のレーサー用真鍮ブッシュ・カラーが出品されていた。その製作者が元祖の方かどうかは知らないが、これを組み込んでドレスアップする事にした。こうして紆余曲折の結果、元のまま落ち着く事になったのである。 やや緩い真鍮ブッシュは接着剤で固定。圧入できれば言う事無いのだが、 そこまでの精度を要求してはバチが当たる。
by james_y1964
| 2008-03-07 22:45
| 『Project究極のランドナー』
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Comments(6)
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しょう
at 2008-03-08 08:24
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真鍮カラーのマファックレーサー、良い感じですね。
ブレーキとアウター受けの問題が解決すれば一気に組み立て進行でしょうか。 今はフランスパーツより国産パーツを使ってランドナーを組むのは結構大変そうです。 どう進んでいくのか注目しております。
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ジェームス吉田
at 2008-03-08 14:01
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しょうさん、いつも応援ありがとうございます。一気に組み立て・・・と行きたいところですが、あと少しだけ入手しなければならないパーツがありまして(仰るとおり、国産パーツ・涙)。とは言え、峠は越えました。桜が咲く頃までには完成させたいですね!
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ぬうぼマン@古本屋のダンナ
at 2008-04-16 07:05
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頭の方から全部読まさせて頂いて納得しました。
何故挫折されたのかと言う事を。 それと同時に、ごく普通にNC誌の購入やオーダーを専門とするお店に普通に出入りしていた自分の置かれた環境が、いかに貴重だったのかも再認識いたしました。 ちなみに「キャリアってあおって(自分で曲げなおしてフィッテイングしてやる)装着するもんでしょ?」と言う、専門店の常識が全国的なものでなかったことを、初めて知りました。 いや、現在でもオーダーから上がったフレームに、キャリアとマッドガードを取り付ける際は、曲げたり・叩いたり・伸ばしたり、が日常茶飯事ですから・・・・
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ジェームス吉田
at 2008-04-17 20:14
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ぬうぼマンさん(古本屋のダンナさん、とお呼びした方がいいのかな?)、こんばんは。冒頭からお読み下さったのですね、最高に嬉しいコメントです。
曲げたり叩いたり・・・。シルクにNITTOキャンピーを付けていた頃は、確かにやむを得ない気はしていました。流石に“常識”とまでは思ってませんでしたが(笑)。自転車ってそんなものかな、と。昔から(おそらく今も)東叡社の自転車が紹介される度、その仕上げと精度を(過剰に?)賛美する事が多かったと思います。市販車コンプレックス気味だった私には、TOEIの精度は寸分の狂いのないもの、絶対的なものと言う思い込みが刷り込まれていたのですね。本文中にもありますが、実際にそこまでの精度を要求するのであれば、私にはもっとするべきことがあったと感じています。ま、若かったの一言かもしれませんが(苦笑)。
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ぬうぼマン(で結構です!)
at 2008-04-17 22:21
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確かにTOEIを始めとする工房(ヒロセさんなんかも)でキャリアを含めてフルオーダーする場合は、塗装前の生地の段階でキャリアのフィッティングも済んではいるのですが・・・・・
最近では、某店でTOEIにオーダーを出すと社長の山田さんから「タイヤは何を履くの?」とか「ブレーキの銘柄は?」とか電話が有るそうです。 タイヤも銘柄によって太さが変りますから、フォークの肩下寸法とかリアのブリッジ寸法とか違ってくると言う事なんでしょうね。 最近のTOEI社はオーダー後のケアが良いのかな?
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ジェームス吉田
at 2008-04-19 21:03
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ぬうぼマンさん、結局そこなんですよねえ、私の未熟だったところは。
タイヤは『1・3/8、銘柄は未指定』、ディレーラーは『とりあえずサンプレ、変更の可能性あり』みたいな調子で。これではビルダーさん、困りますがな(苦笑)。ただ、本文中には書いてませんが、ヘッドランプはガード先端と指定したのに、内蔵コードが短くて継ぎ足さなければならなかったのは辛かった・・(ま、たいした問題じゃないか)。
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