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2010年 04月 04日
(前回より続く)
2月某日、県庁所在地のショッピングモール。私は『理想のストーブ』を求めてアウトドアショップをうろついていた。ここ10年程は山に登っていないので、20代、30代に通った行きつけの登山用品店へは顔を見せ辛いのだ。 モール内には複数のショップが出店していたが、どの店も商品を小奇麗にディスプレイしている。一昔前の登山用品店の、雑然とした様相は皆無。客層も同様で、とても山登りが趣味という風には見えない客も多い。それも当然、ここは登山用品店では無く、アウトドアショップなのである。上品なご婦人方はモンベルのザックではなく、オートキャンプに使う道具を買い求めに来たのだろう。 商品棚に見慣れない小型ストーブがあった。ガスカートリッジ用で、同ブランドのチタン製小型コッヘル(今風に言えばソロクッカー)もある。デザインも中々秀逸で、Zippoポケットストーブ同様、ガスカートリッジをすっぽり収納できるのが良い。私は大いに興味を引かれ、備え付けの分厚いメーカーカタログを10分程立ち読みしてしまった。 メーカーの名前はスノーピーク。聞きなれないブランドだが、私が山から遠ざかっている間に出来たメーカーかもしれない。 『スイマセン、このスノーピークって、昔からあったんですか?』 20代とおぼしき店員さんに、この質問は少し意地悪だったかもしれない。若い彼は先程まで私が読んでいたカタログを一生懸命めくり、こう答えた。 『えーっとですね、創業は50年代です。昔からあるメーカーです。』 『・・・そうですか。ところでこのブランド、無くなったりしませんか?EPIやプリムスだったら安心だけど、純正の燃料じゃなきゃ嫌だから。』 『大丈夫だと思いますよ。ウチの店も力を入れてますし、ポピュラーなブランドだと思います・・・』 自信があるような無いような返答。あとは自分でお勉強しようと思ったが、あいにくカタログは有料との事。 帰宅後、80年代のアウトドア雑誌を探してみたが、スノーピークというブランドは見当たらない。メーカーHPを隅から隅まで読んで、ようやく自分なりに全容が見え始めた。 確かに創業は1958年だが、現在の社名になったのは1996年。アウトドアグッズ製造・販売を本格化し、シェアをのばしたのはやはりここ10年の様だ。登山用品の雄、モンベルに比べると、まだまだ若いブランドといっていいだろう。商品ラインナップを見る限り、登山用品というよりオートキャンプ用品が主力であり、決してヘビーデューティー志向ではなさそうだ。 しかしその商品群の、なんと魅力的な事だろう。不思議と物欲を掻き立てられるのだ。理由の一つは製品のデザインコンセプトが一貫している事で、用品を同一ブランドで統一したくなるのである。更にブランド名とそのロゴが従来の登山用品メーカーに比べてはるかに垢ぬけており、そのセンスは一言で言えば『オシャレ』。お洒落ではなく、カタカナである。カッコイイのである。 従来の山用品に欠けていたもの、私が求めていたプラスαはこれだったに違いない。それまでの山用品は実用本位ではあるが、どちらかと言えば野暮ったいデザインだった。国内メーカー代表格のモンベルでさえ、ある意味、スノーピークのセンスに一歩譲ると思う(あくまでブランドイメージにおけるセンスの事であって、商品自体の性能の事ではない)。それは山屋自身がそういう意識を持ち合わせていた事も一因だろう。“山にはカッコは必要ない”というバンカラ志向。しかしミーハーかつ形から入る私にとって、カッコも重要なファクターなのである。 とにかく、私は一遍にこのブランドに引き込まれてしまった。 同様の感覚を持つユーザーは多いらしく、熱狂的スノーピークファン(マニア)の集うユーザーサイト“スノーピーククラブ”では、これを“スノピ菌”“病気”とも呼んでいる。どうやら私も感染してしまった様だ。出張手当を残らず注ぎ込み、ストーブ、ソロクッカーセット、ランタンまでをメーカー通信販売で一度に買い揃えたのだった。 ガスカートリッジとバーナーヘッドを収納できるチタン製小型コッヘル。 コーヒーを沸かすだけなら、この最小ユニットで十分。 火器一式を購入し、早速色々といじくって悦に入っていた私であったが、ふと気になった。 (しかし実際のところ、世間の評判はどうなのだろうか?) 順序が逆になってしまったが、ネットでスノーピークのストーブについて検索。その結果、私は椅子からずり落ちそうになった。某巨掲示板での評判はすこぶる悪いのである。 “あれはオモチャだ” “使い物にならんのですぐに手放した” “スノピ?やめとけあんなもん” (おいおい、大丈夫かスノーピーク!) 論より証拠、百聞は一見に如かず。私は買ったばかりのストーブ一式を携え、嫌がる次男を誘って近所の山へと出かけたのだった。 (続く) 一歩間違えれば営業妨害にも成りかねないこの顛末、いよいよ次回で明らかに!
by james_y1964
| 2010-04-04 05:18
| 『Project究極のランドナー』
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Comments(16)
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k
at 2010-04-04 09:16
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8Rを修繕された人の記事拝見しました。ジェームスさんありがとうございました。しかし・・・、これよりボロボロで・・・。
スター商事さんの名前で思い出し、電話番号を控えていた筈。近々再度、自前修理の際の部品や工具など聞いてみます。 スノーピークだったんですね。モンベルさん同様、日本メーカーとのこと、キャンプ用食器ぐらいしか知りませんでした。 ガスとガス缶の利便性さえ解決すればガスが一番なんですが、その8Rを買ったのもこのことが原因でした。無鉛ガソリンしか使わなかったからこんなことに。無鉛ハイオクは燃焼しませんでした。 サイクリングのあるひとコマだけの自炊には私もEPIかプリムスです。プリムスはランタンとコンロがキス及び抱き合ってケースに入っていたものを、だいぶ前、モンベルさんの大阪駅高架下で買いました。 MSRに興味はありますが、やっぱり手で触って見てみないと、なんとも言えませんね。(^^)
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ぬうぼマン
at 2010-04-04 11:09
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山行には123Rでした。ガスは冬山では・・・×
なぜなら極寒ではガスボンベが機能しない。寒冷地用のボンベでもダメ。でも123Rでテントを火事にしたこともあるので、着火の際はテントのそとで(トホホ) 私の先輩は、ガスボンベにチューブメタを塗りつけて、火達磨にして使うと言う荒業(?)をやってました。 自転車で峠越えくらいの時は「スイス・メタ」とメタクッカーが手軽ですよ。
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河っち
at 2010-04-04 15:29
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スノーピークなんて全然知らんです~~。
でも一個にまとまるのは魅力ですねぇ。早く結果を教えてくだされ~! 今日もEPI持って花見ポタ&野点してきました。EPIはガスカートリッジをコッヘルに入れてるんですけど、本体はデカクて別ケースの都合2個になっちゃいまする。 1個にまとまるのはええですネ~。 峠越えは殆ど輪行なので、重いものを避けたいという心理が働くのであります。でも、峠で野点したら美味しいでせうねぇ。ですからコンパクト&ハイパワーだったら河っちも買っちゃいますぞ~。
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暇人
at 2010-04-04 15:33
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こんにちわ。スノーピークはソロ用のコッフェル類・火気類はいい物をいりいろ出しています。ただし地は風に大して無防備ですので、ウインドスクリーンが必須だと思います。
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ジェームス吉田
at 2010-04-04 18:43
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kさん、毎度です。
>しかし・・・、これよりボロボロで ありゃりゃ、そうでしたか。かくなる上は、根性でリペア?! 液ガス用ストーブを長く大切に使うには、教科書通り白ガスだけでいくのがベストの様ですね。某ブログに、白ガスも一般ガソリンスタンドで売っている場合も珍しくない、とありました。登山用品店で買うよりずっと安く、大き目の容器で買い置きしておくそうです。 >EPIかプリムス 実績からくる安心感は最強ですね!スノーピーク、10年後にあるのかしらん、と疑いが全く無いと言えば嘘になります(苦笑)。
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ジェームス吉田
at 2010-04-04 18:50
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ぬうぼマンさん、123R使われてましたか!
>ガスは冬山では・・・× ・・・かもしれません。が、私は冬山は行きません、行けません(笑)。そりゃ、いつかは厳冬期の北鎌尾根を・・・なんて夢もありますが・・・間違いなく、棺桶に入って下山するでしょう(爆笑)。一度だけ冬山、雪上テント泊の経験がありますが、それが最初で最後。道具も一度だけ使ったきりで、ホコリを被ってます。 と言う訳で、私には多少軟弱な道具でも可、と成る訳でして (笑)。 >テントを火事にしたこともあるので ガソリンストーブユーザー、一度はやるのかなあ?(まさかあ) >ガスボンベにチューブメタを塗りつけて、火達磨にして使うと言う荒業 良い子は決して真似しないように(笑)。 >「スイス・メタ」とメタクッカー うーん、そうかもしれませんが・・・どうせならコーヒーだけじゃなく、調理様も兼用で持ちたいので、結局どれかに決めなきゃいけなくなる訳で・・・。
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ジェームス吉田
at 2010-04-04 18:58
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河っちさん、私だってスノーピークなんて全然知りませんでした!第一印象は『また、軟弱なメーカーが出てきたなあ、なんだコレ?』みたいな。完全にナメてますね(笑)。
>一個にまとまるのは魅力 画像のままだとクッカーの中でガチャつきますから、実際にはソフトケースか何かに入れなきゃいかんでしょう。私は専用ケースに入れて外に出し(それでも相当コンパクト!)、クッカーの中には食材等、他の物を入れて空間の有効活用をしております。 『一個にまとめて嬉しい』のは、むしろそのブランドです。次回(たぶん)詳しく書きますが、コッヘル・ストーブ・ランタンが同一メーカー、それも中々オシャレなブランドで統一出来る事が、なんやら嬉しいのです(笑)。 さて実際に使用してみての感想は・・・・はよ更新せねば(汗)。
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ジェームス吉田
at 2010-04-04 19:01
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暇人さん、こんばんは~。
スノーピーク、確かに侮れないんですよ。色々言う人もおりますが(笑)。 その辺の私の認識を、次回詳しく(熱く)書き連ねますね! 地の欠点、あ、先に言われちゃった(笑)。ハイ、その通り。これについても次回・・・。
モンベルって、確かにどこかこう、「オシャレ」じゃないんですよね。
ですので、僕ら夫婦もモンベル製品をそこそこ持っているのですが、「もうちょっとどうにかならんのか。特にこの色使いが・・・」といつもブツブツいっていたりします(苦笑) モノはしっかりしている分だけ、どうにも惜しまれる部分に思えて仕方がありません。
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暇人
at 2010-04-05 23:23
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スノピはカタログが実に立派。このカタログでやられた人も多数いるはず。
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ジェームス吉田
at 2010-04-07 04:58
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うっけり夫さん、おはようございます。
モンベルについてのコメント、全く同感です。モンベルが唯一持ち合わせていなかった点『オシャレ感覚』(なんじゃそれ)を持っているのが、スノーピークなのですよ。 ただし、オートキャンプ用品が母体なので、どうしても軟弱な印象がぬぐいきれません。・・・・という事を次回更新で書こうと思っているのですが・・・力が入り過ぎて、中々原稿が仕上がらない(涙)。うううう
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ジェームス吉田
at 2010-04-07 05:02
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暇人さん、おはようございます。
>このカタログでやられた人も多数いるはず。 なぜそれを(爆笑)?!(だまされたって意味じゃないけど) カタログだけじゃありません。今回乗せてる『天』『地』のパッケージデザイン、実にセンスがいいでしょ?他メーカーだとこうはいかんでしょ(たぶん)。
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goro
at 2010-04-10 20:02
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毎度です。
スノーピーク、いいメーカーだと思います。企業理念がしっかりしている感じがします。 最初は今のキャプ○ンスタッ○みたいな2~3流メーカーかな?と警戒(警戒?)してましたが、良いメーカーになったと思います。現在コッフェルはここのチタン製です。チタン「地」なんかは欲しいですね。 123Rもまた、機会(お金)があれば欲しいです。 先日、大学の先輩(8こ上)と花見サイクリングしました。 442Jで瓶ごと熱燗して・・というようなシチュエイションではガスもガソリンも関係ないし、好みでOKでしょ。冬山行かないし:笑。
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ジェームス吉田
at 2010-04-10 20:12
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goroさん、しっかり私はスノピ菌に冒されてしまいました(苦笑)。ある日突然、このメーカーを知ったのですが、台頭し始めの頃ならきっとgoroさんと同じ感想を持ったはずでしょう。何せ保守的、国内メーカーではモンベルとタラズブルバ(実はアシックス・今もあるのか?)くらいしか認めていなかった(知らなかった)頑固者ですから。
チタン『地』は残念ながら廃番になった様ですね。けど重量は大して変わらんし、現行ノーマル地でも十分軽いし、第一安いし(笑)、ま、いっかって所です。コッヘルに関してはまた次回に~! >好みでOKでしょ。冬山行かないし:笑 同感(笑)。冬山行くなら私だってもっとシビアに研究します。フツーのサイクリングなら、地で文句無しです。
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goro
at 2010-04-12 09:19
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仕事中ですが・・。
チタン「地」の廃番は残念ですね。 重量よりもチタンが焼けたときの色が元(元?)単車乗りとしては「萌え~」なんですね。排気管をチタンに交換した時の焼け色が好きだったんです:笑 今は自転車へ全面復帰(単車が怖くなった)です。
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ジェームス吉田
at 2010-04-13 05:23
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goroさん、『チタン萌え~』分かる気がします(笑)。なんせ我々世代にとってはチタンと言えば夢の鋼材、てなイメージが刷り込まれてますしねえ。チタンコッヘルの短所なんぞ、買った後で知った程で(笑)。
チタン『地』は、一時はスノピ製品を扱う大手アウトドアショップのセールで売りに出されてたそうですが、今はどうでしょうか。ヤフオクをマメに覗くとか。 一つだけ心配なのは、初期の『地』の不評に 『火力調整がダメ』 『トロ火にしてても勝手に強火になってしまう』 というのを目にしました。初期型=チタン・・かどうかはよく知りませんが、それもあって私は現行型でまあいっか、と。
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