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2010年 01月 10日
DDペダルに未来はあるか?
J『さて、今回はペダルについて。もっともクランクがクランクだから、おのずとDDペダルに なる訳だけれど。』 T『その前に聞くけどさあ、なんでDDペダルにしたの?エアロは嫌なんだろ?』 J『うん、空気抵抗なんてどうでもいいんだ。私がDDペダルにほれ込んだのは、DD(ダイナ ドライブ)理論に感心したから。従来のペダルと異なり、シャフトの中心軸を踏み面と一致 させる事によって力の逃げを無くするっていう事だけど、“なるほど、そりゃその通りだ!” って唸ったね。流石、独創と先進のシマノ!』 T『前回はあれ程ボロカス言ったのに・・・。』 J『毎度の事だが、私はこういう“理論”に弱いのよ。』 ダイナドライブの解説(シマノのカタログより) 長年“DD”は“ダイレクトドライブ”の略と思って いたのだが、今回それが間違いである事が 判明。 T『じゃ、ペダルはこれに決定だな。』 J『ところがそうはいかんのだ。』 T『・・・また妙な事を言い出した。DDペダルだろ?これしか無いじゃん?』 J『前回クランクの話をした時、AXが嫌だからEXを使うって言った事覚えてる?』 T『うん。』 J『このペダル、クランクやBBもセットになってる箱入りで落札したんだ、ヤフオクで。しつこく 言うけどAXじゃなくて、あくまでEXの別バージョン。チェンホイールとペダルしか発売され なかったんだけど、AXの試作品と言っていいだろう。AXがコンポで発売される前のごく 短い期間しか流通しなかったから、貴重と言えば貴重。』 J『それで?』 T『この試作品(プロトタイプ)って言葉に強く惹かれるんだよね、我々世代は。シャア・ アズナブルの有名なセリフに“あのモビルスーツ(ガンダム)は量産タイプの安物 じゃない”って言うのがあって・・・』 T『いい加減に本題に戻ってほしいんだけど。』 J『閑話休題。そういう訳だから、心情的にはAXじゃなくてこのEXのDDぺダルを使いたい ところなんだけど・・・いかんせん、このEX版DDペダルには欠点が二つある。一つは “蹴返し”が無い事。もう一つはストラップを通す為に外側に設けられたスリットが、ネジ 止めの別パーツになっている事。』 T『あ、ホントだ。蹴返しが無いのは不便だぞ、きっと。けど何でこんな事したんだろ?』 J『さあ。想像だけど、やっぱりエアロ効果を狙っての事じゃないかなあ。ネジ止めされた ストラップ止め金具はコストが関係しているのかもしれないけど、よく分からん。どっちも サイスポの記事では、当時から改善すべき点って指摘されてたのを覚えてる。』 T『で、AXでは改良されたんだ。じゃあペダルだけAXにすれば?手に入ればの話だけど。』 J『ところがそんな簡単な話じゃないんだな、これが。』 T『・・・え?』 J『画像をみてくれ。600AXのDDペダルなんだけど、仕上げ以外はデュラと同型のはず だからそのつもりで。』 T『ふむ、蹴返しが付けられて、外側にネジ止めされてたパーツもプレート一体型になって るな。始めからこうすりゃよかったのに。つまりこの型が改良されて発売されたAXのDD ペダルって訳だ。』 J『実物を見たことが無いんだけど、そのはずなんだ。ところがネットオークションによく 出てくるのはこれじゃ無い。比較的広く出回っているのはプレートのみならず、本体形状 が全く別物のタイプでね。これまた同型の600AXの画像しかないんだけど、さっきの ペダルと比べてみれば一目瞭然。これがAXDDペダルの最終型と思うんだけど。』 T『確かに違うな。一体型のスリット部が大型化されてるし、それに合わせて本体外側が えぐられてる。』 J『当時は今ほど関心が無かった事もあって、この一連のマイナーチェンジを知ったのは 実は最近の事なんだ。ウィキペディアには“DDペダルには計3世代が存在する”って 書かれてるけど、この事なんだろう。ただし、このマイナーチェンジの順は私の思い込み かもしれない。82年のシマノのパンフレットには、デュラAXはこの“外側えぐりタイプ”に なってて、600AXは“プレートのみ改良タイプ”となっているから。とは言え、画像の通り 結局は600AXの“外側えぐりタイプ”も存在する訳だから、私の仮説は間違っちゃいない と思うんだけどね。』 T『うーん、実用面では最初期のEXペダルにはやっぱり問題がありそうだな。デザインで 選ぶとしたら・・・』 J『私は最初、プレートだけを改良した2型がいいと思ったんだけど・・・ここで重要なのは デザインの好き嫌いじゃなくて、なぜマイナーチェンジされたかという事なんだ。 DDぺダルが普及しなかった理由は、互換性の問題だけじゃなかったらしい。』 T『・・・何?』 J『折れるらしい。』 T『はあ?』 J『ポキポキ折れたらしい、レース中に。』 T『おいおい!!本当かよ?!』 J『ウィキペディアにも、レース経験者のブログにも書かれているから、どうやらデマじゃ なさそうだ。』 T『DDペダル、ダメじゃんかあ!』 J『そういう事だから、一時は計画を変更しようかとも考えた。DDペダルの使用が前提だと、 フレームサイズにも影響してくるからね。流石に心配になって、GAMIさんとこの掲示板で 相談してみたんだけど・・・初志貫徹、やっぱり予定通りDDペダルでいくよ。私の脚力で、 それもツーリングユースだから、あまり神経質になる事は無い・・・と思う事にした。 もっとも、予備は持っておきたい。』 T『互換性が無いもんなあ。』 J『マイナーチェンジで本体形状が変わったのは、強度アップの為だろうね。となると、 リスクを少しでも回避するには最終型、つまり“外側えぐりタイプ”にしたくなる。けどあの ウネウネしたデザインはちょっと抵抗があるんだなあ。難しいトコロだ。』 T『そんな事より、手に入れる事の方が難しいのではないかと・・・』 J『ヤフオクでもたま~に出てくるし、なんとかなるだろう。割と楽観的に考えてるんだけど。』 T『・・・なあ相棒、一つ大事な事を忘れてないか?』 J『何?』 T『トウクリップだよ!アレは消耗品だぞ。DDペダル専用クリップこそ本体以上に入手困難 じゃないのか?』 J『あっ!確かに!うーん、困った。どこか田舎の自転車屋の物置に山積みにされて いないかなあ。』 T『夢みたいな事を言うのは止めたまえ。』 (続く) EX(上)とAX((下)の分解図。外観だけではなく、回転部にも変更点が見られる。 AXの取り付け部内側にはAXのシンボルカラーというべき水色の樹脂製ダスト キャップがはめ込まれている。エンスー的には好きになれないが、これは素直に 改良点とみるべきだろう。
by james_y1964
| 2010-01-10 00:54
| 『P.究極のスポルティーフ』
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Comments(8)
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k
at 2010-01-10 11:02
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「ダイレクト」ではなく「ダイナ」だったんですね、ジェームスさん。
現在のシマノHPにあるような補修部品の分解、展開図を見て、玉押しとかベアリングなどもどうなっているか勉強したくなりました。 「ダイナ(DYNA)」とタイプすると、ダイナトロン、ダイナブック、ダイナマイト、ウルトラマンダイナ?とは表示されますが、ダイレクトから交代しても同じで、肝心なダイナの意味がやっぱり分かりません。 退職しただろう元S社社員さんが、 「折れて「だいなし」になってしまう「だいな」なのよ、お客さん」ではないことをお祈りします。そうそうTAのクランクもポキッと折れた人が結構いるらしいですが、私は聞かなかったことにしております。私的にはサドル、ペダルが走行中なくなっても「ハンドルよりは安全」と決めています。(^_-)
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james_y1964 at 2010-01-10 11:36
>kさん
私も30年近く『ダイレクトドライブ』と思ってました(笑)。今回シマノのカタログで確認して、初めて知りました! 昔のサイスポ増刊号のDDペダルの展開図をUPしておきましたので、参考になれば幸いです。 >折れて「だいなし」になってしまう「だいな」なのよ、お客さん しゃ、シャレになってない(笑)。TAのクランクは、現行のモノをわざわざ削って旧タイプの細身に仕上げる事もさかんにされている様です。ポキッという話を聞いたのは初めてですが、しないに越したことはなさそうですねえ・・・。
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ランス
at 2010-01-12 11:26
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カンパのNRも折れるらしいです。アルミ鍛造は古くなると脆くなるのでしょうか。この手の旧パーツを楽しむ人は、自己責任で使うようにとアメリカの某サイトに書いてありました。
なるほど~、DDペダルは踏面が下がり、シューズソール面とペダル軸が一致することで、より効率的なペダリングが可能となるんですね。となると、やはりシューズも自転車専用のものを使用したいところですが、シューズはどうされるのでしょうか。現行のシューズはSPDなどのビンディングばかりなので悩ましいところです。
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ジェームス吉田
at 2010-01-16 04:13
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>ランスさん
>カンパのNRも折れるらしいです NRですら折れるのなら、いたしかたないのかも(笑)。 旧パーツ使用=自己責任というのは、至極単純な真理ですね。壊れて文句を言う方が間違ってますねえ・・・。
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ジェームス吉田
at 2010-01-16 04:18
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>さんつあ~ひ~ろ~さん
DDペダルの効率的ぺダリング理論、なかなかのもんでしょう(って、私が自慢してどーする・笑)。 シューズは当時のシュープレートを装着したレーザーシューズを想定しているはずです。が、そんなものではツーリングにはとても使えそうにありません(もっともレース経験の無い私は使った事も見た事もありませんが)。 ペダル形状を見れば通常の靴でも(たとえスニーカーでも)使えそうなので、適当なツーリングシューズを見つくろう予定です。 ハイ、究極のツーリングシューズ(笑)。
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k
at 2010-01-16 07:15
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>ハイ、究極のツーリングシューズ(笑)。
クリップ使用の適正(究極!)な靴ですが、(安くて)良いものがないですね、ジェームスさん。是非ともその「ツーリングシューズ」の特集(プロジェクト)も!。 鯨ベーコンのような体育館シューズから始まり、クラブマン(嘘の革使用)、ゴローサイクリングシューズ(廃盤)、モンベルゴアなんとか運動靴、シマノSPD(裏蓋つけて)、モンベル「ゴアラップランドストライダー」、近くの靴屋さんで見つけたボーリングシューズ(2千円ぐらい)のような靴、 色々使ってきてはいますが、どれも「いまいち」です。ゴローてつ運動靴が最適かと思いましたが、高額で買うのやめました。 靴底の厚みが大きいと「ダイナドライブ」も意味なし?になるのか、少し心配ですね。(^^ゞ
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ジェームス吉田
at 2010-01-17 03:34
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kさん、そうなんですよ。中々理想的な靴に巡り合えません。
>是非ともその「ツーリングシューズ」の特集(プロジェクト)も 勿論やりますよ(笑)!けどもうちょっとお待ちください。お金が無い(涙)。 kさんもまた、色々試されてますねえ!ゴローの靴?うーん、確かに高額。選択枝には入ってますが・・・二万円位しても、革製の一生ものなら買っても良いのですが。実物を見てから、履いてみてからですね。 >靴底の厚みが大きいと「ダイナドライブ」も意味なし? あちゃー、痛いところを(笑)。夏場はスニーカー的なものでも良いのですが、最近のものは全てやたらと底が厚いのです。ひどいものになると、トウストラップの長さが足りません!
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